演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

PETの新しい活用法による化学療法奏効性予測のための前方視的研究:PEACH study

演題番号 : WS15-2

[筆頭演者]
田中 佑典:1 
[共同演者]
上田 豊:1、高田 友美:1、松崎 慎哉:1、小林 栄仁:1、澤田 健二郎:1、冨松 拓治:1、吉野 潔:1、榎本 隆之:2、巽 光朗:3、木村 正:1

1:大阪大学医学部産婦人科、2:新潟大学医学部産婦人科、3:大阪大学大学院医学系研究科放射線医学教室

 

【背景】
悪性腫瘍に対する化学療法における抗腫瘍効果判定はRECISTに基づいて化学療法を数コース行った後に行われるため、結果的に治療効果の乏しい化学療法を数コースにわたって患者に投与してしまう場合が臨床上少なくない。化学療法には重篤な副作用が伴うため、従来よりも早い段階で治療効果判定が可能となれば、奏効が期待できない化学療法の投与継続を避けることができ、患者の利益に繋がる。

【方法】
当院倫理審査委員会承認の下、婦人科悪性腫瘍に対する化学療法開始前と1コース終了後にPET検査を行い、最大病変におけるSUVmaxの変化率が化学療法3コース終了時の抗腫瘍効果(RECISTによる効果判定)および生命予後を反映するかどうかを前方視的に解析した。対象は2010年6月から2014年12月に化学療法を行った31症例(初発2例、再発29例)で、最大病変におけるSUVmaxの減少率が30%以上である場合をmetabolic response、減少率が30%未満の場合をmetabolic non-responseと定義した。

【結果】
患者の年齢は中央値63歳(range 47-86)であった。31例中、卵巣癌が14例、子宮体癌が14例、子宮体部肉腫・子宮頸癌・腟癌が各1例であった。また、11例がプラチナ製剤を含む化学療法、20例がプラチナ製剤を含まない化学療法を受けた。Metabolic response群において、CRまたはPRであった症例が10例、SDまたはPDであった症例は1例であった。一方、metabolic non-response群においてはそれぞれ1例と19例であり、93.5%の症例で、1コース終了後の最大病変におけるSUVmaxの変化率によって3コース後の抗腫瘍効果が正しく予測された。Progression-free survival(PFS)はmetabolic response群で中央値13ヶ月(range 5-29)、metabolic non-response群で中央値4.3ヶ月(range 1-18)であり、SUVmaxの変化率とPFSは有意に相関していた(p=0.002、Man-Whitney U test)。また、SUVmaxの変化率とRECISTによる抗腫瘍効果判定は化学療法の種類に関わらず有意に相関していた(プラチナ群 p=0.006、非プラチナ群p=0.046、Fisher's exact test)。

【結論】
化学療法や腫瘍の種類に関わらず、化学療法1コース終了時点における最大病変のSUVmaxの変化率によって3コース終了後の抗腫瘍効果や予後を正確に予測できることが初めて証明された。化学療法における患者の利益につながるものと期待される。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:化学療法

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