演題抄録

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開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

悪性リンパ腫治療経過中の骨髄染色体検査でder(1;7)(q10;p10)を呈した症例の検討

演題番号 : WS100-6

[筆頭演者]
長瀬 大輔:1 
[共同演者]
藤野 春香:1、三井 ゆりか:1、酒井 亜紀子:1、石原 晋:1、加藤 元浩:1、梅田 正法:1、倉石 安庸:1、石川 由起雄:2、渋谷 和俊:2、名取 一彦:1

1:東邦大学医療センター大森病院血液・腫瘍科、2:東邦大学医療センター大森病院病院病理部

 

【はじめに】不均衡型転座der(1;7)(q10;p10)は、骨髄異形成症候群(MDS)に認められる染色体異常である。悪性リンパ腫や多発性骨髄腫などのリンパ増殖性疾患での報告もみられ、同染色体異常の出現はその後の治療方針の決定や予後に大きく関与する場合もあるものと考えられる。悪性リンパ腫における同染色体異常の意義について文献的考察も含め検討した。【症例1】 54歳男性、47歳時にびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断。初診時の骨髄液染色体検査では46XYであった。標準的治療であるRCHOP療法実施も再発・寛解を繰り返し、50歳時に自家末梢血造血幹細胞移植併用大量化学療法を実施し寛解が得られていた。移植後後3年経過より汎血球減少をきたした。原因精査のため骨髄穿刺を実施したところ、骨髄芽球は認めなかったが、骨髄染色体検査der(1;7)(q10;p10)を認めた。【症例2】64歳男性 60歳時にマントル細胞リンパ腫と診断された。初診時の骨髄液染色体検査では46XYであった。標準的治療であるHyperCVAD/MA療法実施。その後63歳時再燃をきたしRituximub Bendamustine療法を実施し完全寛解を得ていた。治療後の骨髄穿刺検査にてder(1;7)(q10;p10)を認めた。現在のところ骨髄芽球の出現や血球減少は認めていない。【考察】der (1;7)(q10;p10)は、主にMDSでみられる染色体異常であり、発症後は重症感染症の併発や急性骨髄性白血病への進行も見られるという報告もある。今回の2症例では骨髄像では異型性にとぼしく、現在のところ骨髄異形成症候群の診断には至っていない。しかし今後MDS発症時には予後規定因子になりうると考えられる。【結語】 悪性リンパ腫治療中のder(1;7)(q10;p10)の臨床的意義について検討した。今後症例の蓄積による臨床的特徴、またMDS発症時の治療についての検討がのぞまれる。

キーワード

臓器別:造血器・リンパ

手法別:化学療法

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