演題抄録

ワークショップ

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

R-CHOP療法の治療成績及び副作用発現率におけるBMIの差による後方視的比較検討

演題番号 : WS100-2

[筆頭演者]
馬見新 佳那子:1 
[共同演者]
松井 礼子:1、山口 亜由美:1、望月 伸夫:1、市田 泰彦:1、高橋 邦雄:2、齊藤 真一郎:1

1:独立行政法人国立がん研究センター東病院薬剤部、2:独立行政法人国立病院機構埼玉病院薬剤科

 

背景:2012年の米国臨床腫瘍学会ガイドラインにて、肥満の程度によらず、実測体重を用いた投与量での化学療法が推奨されているが、本ガイドラインは固形癌を対象とした研究に基づいている。
目的:R-CHOP療法を施行されたDLBCL患者を対象とし、実測体重に基づく投与量設定下での、BMIの差による治療成績や副作用発現率への影響を検討する。
方法:国立がん研究センター東病院において2009年1月から2012年12月の間にR-CHOP療法を開始されたDLBCL患者212名について診療録を用いた後方視的調査を行った。無増悪生存期間(PFS)、Gr3以上の貧血、白血球・血小板・好中球減少の発現の有無、Gr2以上の末梢神経障害(PN)発現の有無を評価項目とした。PFSの検討は治療開始から3年以上経過した患者を対象とした。症例を低体重群 (肥満指数[BMI]18未満)、標準体重群 (BMI18以上25未満)、肥満群 (BMI25以上)に分け、標準体重群を対照群として比較検討した。
結果:低体重群 20例、標準体重群141例、肥満群51例であった。PFS中央値は低体重群 33.6ヵ月、標準体重62.6ヵ月、肥満群66.1ヵ月であり、標準体重群と比較し、低体重群(HR:1.30、95%Cl:0.59-2.89)、肥満群(HR:0.62、95%Cl:0.35-1.12)ともに有意差はみとめられなかった。標準体重群は肥満群と比較し好中球減少に差はみられなかったが、白血球減少(標準体重群/肥満群) 108例(77%)/31例(61%)、貧血36例(26%)/3例(6%)、血小板減少12例(9%)/0例(0%)、PN108例(77%)/35例(69%)は有意に高かった(p<0.05)。低体重群と標準体重群の間で副作用発現率に差はみられなかった。
考察:R-CHOP療法において、BMIによってPFSに差は見られなかった。また副作用発現率では標準体重群が肥満群と比較して好中球減少を除く貧血、血小板減少の血液毒性及びPNで有意に高い結果であった。このことより、BMI25以上の患者では実体重に基づく抗がん剤投与量の設定は妥当であると示唆された。しかしながら、米国の報告ではBMIに比例してOSが延長したとの報告もある。本研究は日本人患者が対象でありBMI25以上の患者割合が少ないことや観察期間が3年以上と短いことが影響している可能性もあるため、さらなる研究が必要であると考える。

キーワード

臓器別:造血器・リンパ

手法別:化学療法

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