演題抄録

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開催回
第53回・2015年・京都
 

胃びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の予後と胃病変診断におけるPETの有用性

演題番号 : WS100-1

[筆頭演者]
門田 智裕:1,2 
[共同演者]
瀬尾 幸子:2、中神 佳宏:3、布施 弘恵:4、小濱 千左:2、石井 源一郎:5、岡村 直香:2、伊藤 國明:2、根津 雅彦:2、矢野 友規:1、塚崎 邦弘:2

1:独立行政法人国立がん研究センター東病院消化管内視鏡科、2:独立行政法人国立がん研究センター東病院血液腫瘍科、3:独立行政法人国立がん研究センター東病院放射線診断科、4:国保松戸市立病院血液内科、5:独立行政法人国立がん研究センター東病院臨床開発センター臨床腫瘍病理分野

 

【背景】胃びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対しては病期によりR-CHOP±照射療法が標準的治療である。治療開始後に0~26%程度の消化管合併症が合併するという報告があるため、合併症の危険因子について探索することは重要である。また、胃病変の診断にはPET-CT検査(PET)と上部消化管内視鏡検査(EGD)が有用ではあるが、両者の比較についての報告はほとんどなく、PETでEGDの代用できるかについては明らかでない。【目的】胃DLBCLの治療後合併症を含むその予後と治療前EGDの必要性を明らかにする。【方法】2003年10月~2014年7月の間に当院でDLBCLと診断され、R-CHOP療法で治療を行った症例のうち、EGDにて胃に病変が指摘され病理学的に確認された83症例を対象に、予後解析を行った。また83症例のうちPETが施行された55症例と、同期間にEGDとPETの両検査が施行され、EGDにて胃に病変がないことが確認されたDLBCL患者95例を比較し、PETの精度の解析を行い、EGDの代用となるかについて検討を行った。【結果】胃DLBCL83例において、年齢は中央値69歳(26-85)、臨床病期(Ann Arbor分類)I/ II/ III/ IV: 27/ 18/ 5/ 33であった。完全奏効割合は87%、3年/5年生存割合は81/ 75%であった。International Prognostic Index(IPI)よりも改訂版IPI(R-IPI)がよりよく予後を反映し、3年生存割合はvery good/ good/ poor: 100%/ 77 %/ 63%であった(p=0.025)。治療後消化管合併症として輸血を要する出血は7例でほとんどがR-CHOP療法1コース目に発症していた。狭窄は3例、穿孔例はなかった。ロジステック回帰分析を用いた多変量解析により合併症と有意に相関していたのは、治療前の低アルブミン血症であった(OR 10.75, p<0.001)。また、EGD とPETの両方が治療前に評価された150例(EGDで病変を指摘した55例、EGDで病変のない95例)について検討を行ったところ、PETのpositive predictive value(PPV)は0.90、negative predictive value(NPV)は0.97であった。【結語】今回の検討で、治療開始後の消化管合併症の危険因子として、低アルブミン血症が抽出された。また、病期診断のためのPETはNPV/PPVともに高値であり、胃DLBCL病変の診断としてEGDの代用となる可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:造血器・リンパ

手法別:診断

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