演題抄録

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開催回
第53回・2015年・京都
 

食道癌に対する術前治療の効果予測バイオマーカーとしてのRad51発現の意義

演題番号 : WS1-6

[筆頭演者]
佐伯 浩司:1 
[共同演者]
中ノ子 智徳:1、堤 亮介:1、西村 章:1、中司 悠:1、田尻 裕匡:1、堤 智崇:1、由茅 隆文:1、笠木 勇太:1、杉山 雅彦:1、中島 雄一郎:1、園田 英人:1、大垣 吉平:1、沖 英次:1、前原 喜彦:1

1:九州大学大学院消化器・総合外科

 

【背景】食道癌に対する術前治療施行例の予後は、組織学的治療効果と相関することが知られている。よって、その治療効果を治療前に予測することが臨床的には重要である。DNA相同組換え修復に関わるエフェクター因子であるRad51発現は、他癌腫で放射線化学療法の治療効果と相関すると報告されているが、食道癌におけるRad51発現の意義は未だ明らかになっていない。
【目的】(1)食道癌切除症例におけるRad51発現の臨床病理学的意義を明らかにする。(2)術前化学放射線(CRT)療法の効果予測因子としてRad51発現の意義を明らかにする。
【対象・方法】(1)術前無治療の食道癌手術切除標本93例を用いて、抗Rad51抗体による免疫組織化学染色によりその発現を評価し、臨床病理学的因子との比較検討を行った。(2)放射線照射(30-49Gy)にCDDP+5-FU療法を併用した術前CRT施行食道癌41症例において、治療前の食道癌生検標本におけるRad51発現と、組織学的治療効果との関係を比較検討した。なお、(1)、(2)とも、10%以上の癌細胞で核が濃染しているものを、Rad51蛋白発現陽性として評価した。
【結果】(1)術前無治療の食道癌においてRad51陽性例は56例(60.2%)であった。また、Rad51発現は病巣内でほぼ均一であった。臨床病理学的因子を比較したところ、Rad51陽性例では有意にリンパ節転移が多く(34例vs12例, P=0.0108)、5年生存率も有意に不良であった(71.8% vs 44.7%, P=0.0261)。(2)食道癌生検標本においてRad51陽性例は27例(69.2%)であった。臨床病理学的因子には、両群で差を認めなかった。組織学的著効例(Grade 3)はRad51陽性例27例中2例(7.4%)に対し、陰性例では12例中5例(41.7%)に認め、有意に頻度が高かった(P=0.0239)。
【結語】食道癌においてRad51発現はリンパ節転移と関係し、また、生検標本でのRad51発現はCDDP+5-FU投与を併用した術前CRTの治療効果予測因子となる可能性が示された。現在、食道癌に対する術前治療(CDDP+5-FU療法、Docetaxel+CDDP+5-FU療法、化学放射線療法)における治療効果予測バイオマーカーについて、29施設、600例規模の多施設共同研究(KSCC1307)を実施中である。

キーワード

臓器別:食道

手法別:バイオマーカー

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