演題抄録

支援研究成果発表会

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

食道癌患者へのDCF療法時における成分栄養剤の口腔粘膜炎抑制効果の検討

演題番号 : SR-2

[筆頭演者]
田中 善宏:1 
[共同演者]
高野 仁:1、山田 順子:1、棚橋 利行:1、松井 聡:1、佐々木 義之:1、今井 寿:1、奥村 直樹:1、松橋 延壽:1、高橋 孝夫:1、山口 和也:1、長田 真二:1、吉田 和弘:1

1:岐阜大学腫瘍外科

 

進行食道癌に対する化学療法は5-FU、シスプラチン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、アドリアマイシン、パクリタキセル、ドセタキセル、ビノレルビン、ネダプラチンなど多数の薬剤でその有効性は認められている。現在もっとも汎用されているのは5-FUとシスプラチンの2剤であり、本邦におけるPII試験の成績は奏効率36%と報告されている。一方でFu系薬剤・白金製剤・タキサン系薬剤には単独でも口腔粘膜炎の有害事象は報告させており、昨今注目されているTripletレジメンでは血液毒性に並び消化器毒性の発症が報告されている。このような背景の中、多施設において食道癌への化学療法のうち、Grade2≦の口腔粘膜炎発症割合を前向きに調査した。53例での化学療法患者が登録され、DCF(67.9%)、DGS(13.2%)、FP(18.9%)のレジメンで、口腔粘膜炎の発症率はAll Gradeで84.9%(45例/53例中)、Grade2以上の発症率は30.2%(16例/53例中)であった。これをふまえ、食道癌に対する現在の標準化学療法であるCisplatin(CDDP)+5-FU併用療法にDocetaxelを加えたDCF療法で起こる消化管毒性に対し、成分栄養剤が有用であるかどうかを検討した。そのためにまずは、食道癌DCF療法中の成分栄養剤内服の安全性と内服のコンプライアンスを探ること、また第3者が口腔粘膜炎を評価すべく中央判定方式が可能かのFeasibility studyを多施設共同で行った(EPOCstudy)。StageII/IIIの19例の食道癌症例に対しTXT70mg/m2 (Day1)・CDDP70mg/m2(Day1)・5Fu750mg/m2(Day1-5)の容量で2コースを施行。成分栄養剤は治療開始の1週間前から化学療法期間中1~2包/日を予定した。その結果エレンタールの減量・休薬がある症例は有意にGrade2以上の口腔粘膜炎の発症を認めた(p=0.0460)。口腔粘膜炎の判定は中央判定方式によって行われ、十分に客観的な判定が可能であった。成分栄養剤の1日1~2包内服は有害事象を増加させることはなく、内服完遂率が高い例では口腔粘膜炎を下げる可能性が示唆された。口腔粘膜炎への成分栄養剤の抑制効果の感触を得たため、EPOC2 studyとして、PhaseIIb/III studyを企画した。食道癌に対するDCFレジメンにおいて、成分栄養剤1~2包内服群(160例)と非内服群(160例)で、口腔粘膜炎発症率をPrimary endpointに調査する試験である。その結果がpositiveであれば、強力なTriplet regimenを患者のコンプライアンスを低下させることなく完遂可能になる。

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