演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

乳がん術後リハビリテーションにおける作業療法の意義

演題番号 : S2-6

[筆頭演者]
田尻 和英:1 

1:静岡県立静岡がんセンターリハビリテーション科

 

乳癌の手術が実施されると可動域制限やリンパ浮腫の予防的介入に対し、作業療法士が介入している。
術前にリハビリ科医師、作業療法士により問診を実施。その内容はリハビリ実施の目的の説明、肩関節可動域、リンパ浮腫発症を評価できるように両上肢の周径を測定する。その他に仕事や家事や育児などIADLのチェック、筋力の目安の為に握力の測定をする。それらを評価・情報収集することで、患者とリハビリゴールの共有を行う。
術後は痛みや全身状態に合わせて、ベッドサイドやリハビリ室で開始する。ドレーン挿入中は創部の安定やドレーン量の増加を防ぐために肩関節屈曲90°等に安静度をし、その範囲で上肢の運動を開始する。またリンパ節の郭清レベルに合わせて、リンパ浮腫発症の予防的生活指導を実施する。
ドレーン抜去後、外来では肩関節の可動域制限に対し、温熱療法や関節可動域訓練、自主訓練指導を実施する。創部痛に対し制限も出やすいが、腋窩リンパ管線維化症候群(AWS)や大胸筋の張りが出現すると、通常の可動域訓練を行うと創部以外の部分に痛みを誘発しやすくなるために、それぞれの症状に対し自主訓練メニューの変更を行う。またIADLに関しても再開状況を確認し、実施しにくい場合にはそれぞれの制限にあわせて、工夫点をお伝えする。
乳がんの術後は早期の退院・社会復帰を向かえる機会が多い。また術後に放射線治療や化学療法が開始されるケースも少なくない。それらの経過の中で、QOLを維持しながら経過するために作業療法介入の意義は大きいと考える。

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