演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

リンパ浮腫外来の実践:リンパ浮腫の予防とケア

演題番号 : S2-5

[筆頭演者]
井沢 知子:1 

1:京都大学医学部附属病院看護部

 

リンパ浮腫はがん治療後の後遺症であり、初期の段階では可逆性ではあるが、放置していると次第に皮膚が線維化を起こし非可逆性となってしまう。その結果、浮腫が引かず、関節可動域の制限や外見の変化、衣類などの調整を余儀なくされる。さらに、リンパ浮腫の重度の患者は心理的負担を感じることや蜂窩織炎などの皮膚症状を引き起こすケースも多いため、長期生存者であるがんサバイバーのQOLに大きな影響を与えるものである。
当院では、2013年4月よりリンパ浮腫外来を開設している。この外来は、週4日婦人科と心臓血管外科の診療科によって行われ、リンパ浮腫ケアが行える看護師2名が対応している。外来では、スキンケアや圧迫療法、徒手リンパドレナージの施術と、日常生活の注意点の指導など、包括的なアセスメントを行い、その患者に合わせた指導を行っている。
2015年4月現在までの対応件数は835件で、女性が93%と殆どを占め、下肢の占める比率は9割であった。浮腫の進行度では、潜在期で予防指導を行うケースが100件(12%)、早期の段階である可逆性のケースが257件(31%)、症状がある程度進行した非可逆性のケースが478件(57%)であった。
非可逆性のリンパ浮腫患者が占める割合は毎年増加傾向にあり、そのようなケースには、圧迫療法や徒手リンパドレナージを通して、患者の苦悩を聴きながら症状緩和を図っている。同時に、セルフケアによって自宅でリンパ浮腫の対処が行えるような支援や家族や友人などによってケアが提供できるようなケアギバーへの教育・指導などを行っている。
本シンポジウムでは、非可逆性のリンパ浮腫患者との外来での関わりの実際を紹介し、どのような支援が求められているのか、今後の課題などを考察してみたいと思う。

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