演題抄録

シンポジウム

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

がん支持療法としての口腔ケアの質を考える

演題番号 : S2-4

[筆頭演者]
青木 久美子:1 
[共同演者]
桐田 忠昭:1

1:奈良県立医科大学口腔外科学講座

 

口腔ケアの重要性は1999年にYoneyamaらが高齢者、主に要介護者に対し積極的に口腔清掃をおこなうことによって、誤嚥性肺炎が予防できることを示唆したことで、う蝕や歯周病の予防のみならず全身疾患に寄与する可能性があるとの認識が高まり、広く謳われるようになった。その後、頭頸部がんや食道がん患者に術前から口腔ケアをおこなうことで術後の合併症率が減少するなどの有用性を示す報告が相次ぎ、がん治療においても支持療法として口腔ケアの必要性が注目された。2010年4月からは国立がん研究センターと日本歯科医師会の間でがん診療医科歯科連携事業が始まり、2012年4月からは歯科診療報酬に「周術期口腔機能管理料」が新設されたことで、がん治療における医科歯科連携のさらなる発展が期待された。未だ完全とは言えないが、がん治療を受けるために患者が歯科を受診することが増加してきていることは、がん治療中の口腔内合併症の予防、治療や症状緩和のために寄与していると思われる。しかし、「口腔ケア」とひとことで言っても、がん種、患者の身体的・精神的状態、病期などによっても内容は異なり、また誰が、いつ、どのように行うかによってその効果の程度も変わるであろう。がん患者が支持療法として口腔ケアを受けるという環境設定の次の課題は、その質の向上ではないだろうか。口腔ケアは主に歯科医療職や看護師、介護士が行うと考えられているが、患者の状態によっては、患者によるセルフケアが最も重要となることもある。また、安全な口腔ケアを行うには、医師や理学療法士、言語聴覚士など多職種の協力が必要なこともある。つまり患者の状態に応じ、包括的なアセスメントを行い、口腔ケアプランを立て、実行することが重要であると考える。
"がんと生きる"患者をサポートするための口腔ケアにおける次のステップとして、その質の向上について検討する。他職種の方々からそれぞれの立場での意見を頂戴できれば幸いである。

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