演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

膀胱全摘術を施行された膀胱癌症例における末梢血好中球/リンパ球比の臨床的意義

演題番号 : P99-8

[筆頭演者]
森澤 洋介:1 
[共同演者]
三宅 牧人:1、堀 俊太:1、辰巳 佳弘:1,2、中井 靖:1、穴井 智:1、田中 宣道:1、藤本 清秀:1、島田 啓司:2、小西 登:2

1:奈良県立医科大学附属病院泌尿器科、2:奈良県立医科大学附属病院病理病態学

 

【目的】 NLR (neutrophil-to-lymphocyte ratio) とは血中の好中球/リンパ球の比であり,宿主の全身性炎症反応の指標のひとつである。バイオマーカーとしての有用性についても注目されるようになっており,様々な悪性腫瘍の NLR に関する報告がされている。しかしながら膀胱癌における NLR の意義を検討した報告は少なく,今回,NLR のバイオマーカーとしての臨床的有用性を他の臨床病理学的因子との関連と併せて検討した。【対象と方法】 膀胱全摘除術を施行した筋層浸潤性膀胱癌113例を対象とし後方視的解析を行った。性別、BMI、ECOG-PS、Charlson 併存疾患指数、術前ヘモグロビン、CRP、NLR、水腎症の有無、術前補助化学療法施行の有無、T category、variant componentの有無、浸潤様式 (INF)、廓清リンパ節数、病理学的リンパ節転移の有無と全生存率・癌特異的生存率・無再発生存率との関連を検討した。また膀胱全摘前後および術後フォロー中のNLRの推移についても検討した。【結果】年齢中央値は72歳 (範囲:41-91歳)、観察期間中央値は38ヶ月 (範囲1-171ヶ月)、2年および5年全生存率は、それぞれ73%、57%であった。ECOG-PS 高値 (P=0.016)、NLR 2.6以上 (P=0.012)、INF c (P=0.002)、リンパ節転移陽性 (P=0.042) が全生存率における独立予後不良因子であった。NLR 2.6以上 (P=0.013)、INF c (P=0.003)、リンパ節転移 (P=0.002) が癌特異的生存率および無再発生存率における独立予後不良因子であった。術後 NLR は術前と比較すると有意に低く (P<0.001)、さらに術後再発した症例のサブ解析を行うと、画像的再発が検出される3か月前より NLR が上昇しはじめていた。【結語】 INFc と病理学的リンパ節転移は術後に判明する予後因子であるが、NLR は術前に簡便に評価できる予後因子として有用である。NLRは病勢のみならず病変存在の指標となり、術後フォロー中の再発検出マーカーとしての有用性が示唆された。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:手術療法

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