演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

膀胱癌におけるMRIの拡散係数と予後の臨床的検討

演題番号 : P99-4

[筆頭演者]
飯田 啓太郎:1 
[共同演者]
内木 拓:1、惠谷 俊紀:1、安藤 亮介:1、河合 憲康:1、戸澤 啓一:1、安井 孝周:1

1:名古屋市立大学大学院医学研究科腎・泌尿器科学分野

 

目的
MRIにおける膀胱癌の拡散係数(ADC値)は、癌の組織学的進達度や異型度と関連があるとの報告が散見されるが予後までを検討した報告は少ない。今回我々は、ADC値が膀胱癌における予後を予測するマーカーとなり得るかどうかを検討した。
対象と方法
2007年3月から2012年8月までの間に、名古屋市立大学病院でTURBTで膀胱癌と診断された106例を対象とした。術前3ヶ月以上前にMRIを撮像された症例ならびに主病変が7mm未満の症例、TURBT後3か月以内に膀胱全摘除術を施行した症例を除外した。MRIは1.5Tであり、全例に拡散強調画像を施行した。ADCマップは2つのb値(b=700と1500s/mm2)から算出した。
ADC値が病理学的因子(組織型、組織学的進達度、組織異型度)と関連があるかどうか後方視的に検討した。さらに、ADC値が予後(非再発率、癌特異的生存率、膀胱内非再発率、非進展率)を予測する因子となり得るかどうか、単変量ならびに多変量解析を行った。
結果
観察期間は0.3~92.5か月(中央値42.6か月)、106例のうち男性81例、女性25例、年齢は38~90歳(中央値72歳)であった。腫瘍の組織型は尿路上皮癌103例、腺癌3例であった。組織学的深達度はTa40例、T162例、T2以上4例、組織異型度はlow grad27例、high grade79例であった。
1,3,5-年生存率は94.0%、91.8%、85.9%、1,3,5年癌特異的生存率は96.0%、94.9%、93.1%、1,3,5年膀胱内非再発率は63.6%、48.8%、41.7%、1,3,5年非進展率は94.1%、89.9%、88.7%であった。ADC値の中央値は1.46 (0.85-2.55)×10-3mm2/sであった。ADC値は組織型・組織異型度との関連を認めなかったが、組織学的深達度ではT2以上の症例はTa・T1症例よりもADC値が低値であった(p=0.02)。さらにADC値はOS・CSS・PFSの予後因子となり得なかったが、単変量ならびに多変量解析で膀胱内非再発率の予後因子となり得た。
結論
1.5TMRIにおけるADC値は、膀胱内非再発率を予測する因子となり得た。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:診断

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