演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

膀胱癌に対する膀胱全摘除術の治療成績:多施設共同研究

演題番号 : P99-2

[筆頭演者]
松本 明彦:1 
[共同演者]
中川 徹:1、金谷 淳志:1、池田 勝臣:2、中西 泰一:3、川合 剛人:5、宮川 仁平:7、田口 慧:7、鈴木 基文:7、古賀 文隆:3、長瀬 泰:6、近藤 靖司:4、岡根谷 利一:2、田中 良典:5、本間 之夫:1

1:東京大学医学部附属病院泌尿器科、2:国家公務員共済組合連合会虎の門病院泌尿器科、3:がん・感染症センター都立駒込病院泌尿器科、4:東京都立墨東病院泌尿器科、5:日本赤十字社武蔵野赤十字病院泌尿器科、6:東京都立多摩総合医療センター泌尿器科、7:東京逓信病院泌尿器科

 

目的:膀胱癌に対する根治的治療として、 膀胱全摘除術は最も効果を期待できる治療法の一つであり、尿路変向術を含めて、泌尿器科における極めて重要な手術として位置づけられている。膀胱全摘除術症例の臨床経過を検証するために、多施設から症例を集積し、臨床病理学的検討により治療成績を明らかにすることを目的とする。
方法と対象:東京大学医学部附属病院を含む7施設において、1990年から2014年までの25年間で、開腹による根治的膀胱全摘除術および尿路変向術を施行した膀胱癌患者を対象とした。 臨床病理学的検討については、各群間の有意差検定はカイ二乗検定を行い、生存率は Kaplan-Meier法を用い、log-rank検定を行い、多変量解析はCox比例ハザード回帰分析を行った。
結果:全登録症例922例中896例において解析が可能であった。男性715例(79.8%)、年齢中央値67歳、BCG膀胱内注入治療歴あり141例(21.4%)、術前補助化学療法135例(15.1%)であった。尿路変向術は、回腸導管623例(69.9%)、回腸利用新膀胱165例(18.4%)、尿管皮膚瘻81例(9.0%)であった。病理組織学的診断は、尿路上皮癌836例(95.3%)、扁平上皮癌19例(2.2%)、腺癌11例(1.3%)であり、pT0-2 514例(57.6%)、pT3-4 379例(42.4%)、pN0 614例(71.9%), pN1-3 171例(20.0%)、pNx 69例(8.1%), LVI+ 362例(44.8%), 断端+ 59例(6.8%)であった。観察期間の中央値42ヶ月で、全生存率は5年62.2%、10年55.0%であった。有意に予後不良であった(p<0.001)。全生存率の予後因子として、単変量解析では、67歳以上、異型度、pT3-4、pN+、LVI+、断端+、尿路変向術(回腸導管および回腸利用新膀胱に対して尿管皮膚瘻)で有意差を認め、それらの因子について多変量解析を行い、67歳以上(p=0.014)、pT3-4(p<0.001)、pN+(p<0.001)、LVI+(p=0.002)、断端+(p=0.021)、尿管皮膚瘻(p<0.001)で有意に予後不良であった。
結論:過去の単施設を含めた1000例規模の報告例と比較し、全生存率においては、ほぼ同等の結果であると考えられた。尿管皮膚瘻を受けた患者は、回腸導管や回腸利用新膀胱に比べ、予後不良であり、高齢でpT stageが高い症例が選択されていることが影響していると考えられた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:手術療法

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