演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

HIV感染悪性腫瘍患者の現状とHIV感染症患者の泌尿器がんについての検討

演題番号 : P98-10

[筆頭演者]
副田 雄也:1 
[共同演者]
村松 知昭:1、水野 秀紀:1、岡本 典子:1、木村 恭祐:1、青田 泰博:1、横幕 能行:2

1:独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター泌尿器科、2:独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター感染症科

 

緒言:HIV感染症患者の頻度が増加するにつれて、HIV感染悪性腫瘍の頻度も増加している。HIV感染症患者の悪性腫瘍罹患率は非HIV感染症患者に比べ増加傾向にあるという報告はあるが、治療法についての報告は少ない。今回我々は、当施設でのHIV感染悪性腫瘍患者の治療方法を集積し、さらに追跡調査を行い当科疾患である泌尿器がんに罹患した患者について治療法を検討したので報告する。
方法:1997年4月から2012年3月までの期間にHIV感染症と診断された1263例のうち、悪性腫瘍を合併した患者を対象とした。カポジ肉腫は除外した。また泌尿器がんについて2015年3月まで延長し調査した。
結果:1263例のうち34例(2.7%)に悪性腫瘍の合併を認め、年齢の中央値は46歳であった。悪性リンパ腫が18例(52.9%)、子宮頸がんが4例(11.8%)、肺がんが3例(8.8%)、消化器がんが3例(8.8%)、その他が5例(14.7%、精巣がんを1例含む)であった。悪性腫瘍診断時のCD4+細胞数中央値は125/μL(1-909/μL)、血中ウイルス量中央値は4.1X104copy/ml(<40-4.5X106 copy/ml)、抗ウイルス薬内服患者は16例(52.9%)であった。治療方法として外科的治療は7例、化学療法は20例、放射線治療は5例に行われた。
2015年3月までに当科該当疾患として精巣がん2例、尿管がん1例の発症を確認した。治療方法は、精巣がんが手術のみ1例、手術と術後化学療法1例、尿管がんは化学療法手術と術後化学療法、さらに腔内再発の膀胱がんに対して経尿道的手術と膀胱内注入化学療法が1例であった。全員の生存を確認している。
結語:抗HIV療法の進歩によりHIV感染者の寿命が健常人と同等まで改善した今日、感染者の高齢化に伴い悪性腫瘍の合併症例の増加が危惧される。そのためHIV感染者の手術や化学療法などの治療法の選択の機会はさらに増えると予想できる。今回の調査では抗ウイルス薬の進歩に伴い健常人と同等の加療が可能になりつつあり、予後の改善にも寄与していくと考えられた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:集学的治療

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