演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

上部尿路上皮癌での後腹膜アプローチ腎盂尿管全摘除術に対するBMIの影響について

演題番号 : P98-7

[筆頭演者]
松本 和将:1 
[共同演者]
平山 貴博:1、西 盛宏:1、石井 大輔:1、田畑 健一:1、藤田 哲夫:1、岩村 正嗣:1

1:北里大学医学部泌尿器科

 

目的:疫学的研究で日本を含めた先進国でのBMI上昇は、周術期合併症に影響するとの報告が散見される。一方、上部尿路上皮癌に対する後腹膜アプローチでのBMIと周術期の関係についての検討は少ない。今回、BMIが腎盂尿管全摘除術・膀胱部分切除術に及ぼす影響について検討した。
対象:1998年から2013年までに上部尿路上皮癌に対して手術を施行した125例のうち、後腹膜アプローチにて腎盂尿管全摘除術・膀胱部分切除術を施行した113例について検討した。術式は腹腔鏡下摘除術(Lap 群:60例)および開腹術(Open群:53例)とした。Lap群において、膀胱の処理は下腹部正中切開より開腹術にて行った。平均年齢は68.5歳であった。BMI25以上をhigh-BMI群、それ25未満をnormal-BMI群とした。High-BMI群はLap 群で13例、Open群で14例であった。
結果:術中出血量はBMIに関わらず、Lap群でOpen群と比較し有意に低値であった(244ml vs 565ml, p<0.0001)。また、手術時間についてnormal-BMI群で、Lap群はOpen群と比較し有意に延長を認めたが(326 min vs 283 min, p=0.02)、high-BMI群では差を認めなかった。その他年齢、病理病期、左右差、腫瘍部位、膀胱部分切除方法、リンパ節廓清の有無、術前術後の腎機能(eGFR)、輸血の有無、術後合併症に差は認めなかった。多変量解析を用いて出血量に影響する因子として、全症例で開腹術は高出血量(p<0.0001, HR 8.02)、normal-BMIは低出血量(p=0.01, HR 0.25)への有意な独立因子であった。また、Lap群において尿管癌症例が高出血量(p=0.04, HR 7.43)、Open群においてnormal-BMIが低出血量(p=0.01, HR 0.09)の有意な独立因子であった。一方、手術時間に影響する因子は同定されなかった。
結論:上部尿路上皮癌への後腹膜アプローチ腹腔鏡下腎盂尿管全摘除術・膀胱部分切除術はhigh-BMI症例であっても出血量が有意に少なく、手術時間に差がなく、安全に施行できると考えられた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:内視鏡手術

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