演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

当院における進行性腎細胞癌に対するエベロリムスの治療成績

演題番号 : P97-11

[筆頭演者]
近藤 秀幸:1 
[共同演者]
城武 卓:1、高松 公晴:1、辻 博隆:1、安水 洋太:1、鈴木 賢次郎:1、古平 喜一郎:1、小山 政史:1

1:埼玉医科大学国際医療センター泌尿器腫瘍科

 

(目的)エベロリムスは進行性細胞癌を治療標的とするmTOR(Mammalian target of rapamysin)阻害剤である。難治性である進行性腎細胞癌において一定の有効性を示す一方で有害事象に伴う不耐容例も少なくない。今回、我々は当院におけるエベロリムスの使用経験からその有効性と安全性について検討した。
(方法)2010年7月から2014年12月までの間、当院でエベロリムスを投与した進行性腎細胞癌患者57例を対象とした。治療効果はRECIST1.1、有害事象は CTCAE ver4.0 を用いて判定した。無増悪生存期間(Progression-free survival ; PFS)および全生存期間(Overall survival ; OS)はKaplan-Meier法を用い、有意差検定はlog-rank testを用いてP<0.05を有意水準とした。
(結果)エベロリムス投薬開始からの観察期間は中央値8.6ヶ月であった。投与開始時の年齢中央値は66歳であり、男性35例、女性22例であった。組織型はclear cell 42例、non-clear cell 8例であり、不明症例が7例であった。MSKCC リスク分類ではfavorable 6例、intermediate 42例、poor 9例であった。有害事象(間質性肺炎、口内炎、血小板減少など)や病状悪化に伴い休薬を余儀なくされた不耐容例は20例(35.1%)あった。それらを除く37例における最良総合効果判定はSD 28例、PD 9例であった。エベロリムス投薬開始からのOSは中央値10.2ヶ月でPFSは中央値3.5ヶ月であった。特に骨転移(P=0.015)やリンパ節転移(P=0.021)を有する群では有意にPFSが短かった。また不耐容例に比して耐容例においてOSの延長傾向を認めた(11.0 vs 6.6ヶ月、P=0.25)。
(考察)当院におけるエベロリムス投薬治療では有害事象などによる不耐容例が多かった。一方で耐容例のOSは不耐容例に比して延長傾向を示したことから、初期投薬減量を含めた有害事象への適切な管理や適格な症例選択を行うことで、さらに予後の改善に寄与する可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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