演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

透析中の腎細胞患者におけるパゾパニブの薬物動態学的解析 ~症例報告~

演題番号 : P97-7

[筆頭演者]
野田 哲史:1 
[共同演者]
平 大樹:1、影山 進:2、城 文泰:2、和田 晃典:2、吉田 哲也:2、河内 明宏:2、森田 真也:1、寺田 智祐:1

1:滋賀医科大学医学部附属病院薬剤部、2:滋賀医科大学医学部附属病院泌尿器科

 

【背景】パゾパニブは進行性腎細胞がんで承認された分子標的抗がん薬である。しかし、透析患者に使用した報告はなく、パゾパニブの血中濃度に及ぼす透析の影響は不明である。今回、透析患者においてパゾパニブを投与し、血中濃度を測定した症例を経験したので報告する。【症例】70才男性。2007年8月肉眼的血尿が出現し精査にて右腎腫瘍が指摘された。また以前からある慢性腎不全の進行のため同月より透析が開始となった。その後右腎摘除術が施行された。病理診断はclear cell carcinomaであった。その後、IFN-α、スニチニブ、エベロリムス、アキシチニブを投与されていたが、肺転移巣の増大のため、2015年1月にパゾパニブが入院で導入となった。パゾパニブは400mg/日で開始した。投与開始時のPSは0で、MSKCC分類はIntermediateであった。パゾパニブ開始3日後にG3の肝機能障害が発現した。休薬10日後に、パゾパニブ200 mgを隔日で再開され、再開7日後のトラフ濃度(透析前)は2,915 ng/mL、投与4時間後(透析後)は8,194 ng/mLと低値であったため(有効域は15,000 ng/mL以上)、200 mg/日へ増量となった。パゾパニブ開始34日目(非透析日)および35日目(透析日)にパゾパニブの血中濃度を継時的に採血した結果、トラフ濃度はそれぞれ10,714 ng/mL、11,560 ng/mL、最高血中濃度はそれぞれ13,400 ng/mLと15,355 ng/mL、AUC0-24値はそれぞれ294,411 ng×h/mlと322,313 ng×h/mlと差はなかった。投与開始60日目に、G1の肝機能障害を発現したためパゾパニブは中止となった。【考察】パゾパニブの薬物動態は透析の影響を受けないことがはじめて示された。この要因として、パゾパニブは肝臓で主に代謝され、蛋白結合率が高く、分布容積が大きいことが考えられた。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

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