演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

分子標的治療により長期生存を得ている腎癌肝転移の2例

演題番号 : P97-2

[筆頭演者]
福田 翔平:1 
[共同演者]
神田 敏博:1、福井 直隆:1、影山 幸雄:1

1:埼玉県立がんセンター泌尿器科

 

【緒言】転移性腎癌において肝転移は予後不良因子の1つであり、肝転移出現後のcancer‑specific survivalは10カ月前後とされる。肝転移を有する腎癌に対して分子標的治療を行い、長期生存を得ている2症例につき報告する。【症例1】31歳男性。2005年8月左腎癌に対し他院にて左腎摘除を施行、病理診断はclear cell RCC, G3, pT2, INFa, v0、術後補助サイトカイン療法を施行した。2009年5月に局所再発が出現し、当科初診、MSKCCリスク分類はfavorableであった。局所再発に対しスニチニブ50mgを開始、放射線治療(50Gy)を施行した。37.5mgに減量し、2010年3月まで継続するも焦燥感のため中止となった。2010年6月に多発肝転移・肺転移が出現し、エベロリムス10mgを開始、2011年3月まで継続するも、肝転移はPD、間質性肺炎(Grade1)出現し、中止した。2011年5月よりスニチニブ37.5mgを再開、その後、肝転移・肺転移は縮小し、2012年10月CTで局所再発はPR、肝転移・肺転移はCRを得た。その後、局所再発はやや増大傾向も、肝転移・肺転移はほぼCRを維持し、現在もスニチニブ37.5mgを4週投与2週休薬で継続、肝転移出現後4年10カ月の長期生存を得ている。【症例2】68歳男性。2008年6月右腎癌に対し他院にて右腎摘除を施行、病理診断はclear cell RCC, G2>G3, pT2, INFb, v1、術後補助サイトカイン療法を施行した。2011年2月多発肝転移を認め、当科初診、MSKCCリスク分類はfavorableであった。同年10月よりスニチニブ25mgを開始した。12.5mgに減量し2012年2月まで継続するも、肝転移PDであり、中止した。同年3月にエベロリムス5mgを開始するが、同年5月肝転移はPD、間質性肺炎(Grade2)出現し、中止した。同年8月よりソラフェニブ800mgを開始、肝転移はしばらくSDを維持するも、2013年8月CTでは肝転移増大を認め、中止した。同年9月よりアキシチニブ10mgを開始した。蛋白尿にて6mgに減量、休薬を繰り返しながらも、2014年4月まで継続し、肝転移はslight PDであった。蛋白尿が持続し、アキシチニブは中止、2014年5月よりパゾパニブ800mgを開始した。肝障害のため200mgに減量し現在も継続、肝転移はSDを維持、肝転移出現後4年2カ月の長期生存を得ている。【結論】症例1は肝転移に対しスニチニブが著効し、症例2はsequential therapyにて病勢が長期間コントロールされている。腎癌肝転移の予後は不良であるが、症例によっては分子標的治療により長期生存を得られうる。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:分子標的治療

前へ戻る