演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

開腹腎部分切除術における腎実質縫合の有無による周術期成績の比較検討

演題番号 : P95-10

[筆頭演者]
橘 秀和:1 
[共同演者]
高木 敏男:1、佐藤 泰之:1、近藤 恒徳:1、田邉 一成:1

1:東京女子医科大学病院泌尿器科

 

【目的】近年、画像診断の普及に伴い腎腫瘍と診断される60%以上が4cm以下の小径腎腫瘍であり、小径腎細胞癌において腎部分切除術が根治的腎摘除術と比較して腎機能、生命予後において良好であることから第一選択とされており当施設においても積極的に施行している。腎部分切除術の術式において腎実質縫合を追加するかどうかは術中所見に基づいて施行しており、今回2012年から2015年に当施設で施行した開腹腎部分切除術161例について腎実質縫合の有無による術後成績や安全性を検討し報告する。
【対象と方法】実質縫合を施行した49例と実質縫合を施行しなかった107例について、傾向スコアを用いて年齢、性別、手術時期、ASA、BMI、術前eGFR、腫瘍径、RENAL Nephrometry scoreの共変量を調整しマッチングを行い、実質縫合を施行した40例と実質縫合を施行しなかった40例を抽出し二群間の比較検討を行った。
【結果】
患者年齢は58±13歳*、BMIは23±3.6*、腫瘍径は3.1±2.4cm*、RENAL Nephrometry scoreは8.1±1.6*、術前eGFRは65±19ml/min/1.73m2*であった。
腎実質縫合を施行した群としなかった群の平均手術時間は191 vs. 185分 (p=0.4)、平均出血量は164 vs. 161分(p=0.9)、平均阻血時間は41 vs. 36分 (p=0.19)であった。周術期合併症の頻度は尿瘻が0 vs. 20% (p=0.002)、仮性動脈瘤が15 vs. 2.5% (p=0.047)、術後3か月後の腎機能低下率は-10 vs. -4.7% (p=0.29)であった。
【結論】
開腹腎部分切除術において、手術時間、阻血時間や出血量には有意差を認めなかったが腎実質縫合を施行した群では仮性動脈瘤の頻度が有意に高く、腎実質縫合を施行しなかった群では尿瘻の頻度が有意に高かった。

*平均±標準偏差

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:手術療法

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