演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

腹腔鏡下腎部分切除術における、術中腫瘍切込みと腫瘍偽被膜形成の検討

演題番号 : P95-7

[筆頭演者]
槙山 和秀:1 
[共同演者]
伊藤 悠城:1、逢坂 公人:1、中井川 昇:1、矢尾 正祐:1

1:横浜市立大学大学院医学研究科泌尿器科学

 

【目的】小径腎癌に対する標準治療法は腎部分切除術であり、開腹、腹腔鏡、ロボット支援の方法がある。どの方法でも腎部分切除術の術中に誤って腫瘍に切り込んでしまうことを経験することがある。今回、腹腔鏡下腎部分切除術における、術中腫瘍切込みについて腫瘍偽被膜形成と合わせて検証した。
【対象と方法】2003年から2014年までに横浜市立大学附属病院で腹腔鏡下腎部分切除術を施行した156例を対象とした。腫瘍に切り込みを認めなかった144例と認めた12例を比較し、腫瘍切込みに影響を与える因子を検討した。さらに腫瘍切込みが癌制御に影響するか否かを検討した。
【結果】腫瘍径は切り込みあり群が有意に大きかった(28.7mm vs 23.9mm, p=0.049)。ROC曲線からは腫瘍径30mmが腫瘍切込みのcut off 値として適切であった。病理学的には腫瘍切込みあり群はなし群と比較して、有意に良性腫瘍が多く(50% vs12.5 %, p=0.001)、偽被膜形成が少なかった(41.6% vs75.7 %, p=0.011)。組織型と偽被膜形成の関係を調べると、Clear cell ca 87.1%、Papillary 92.3%、Chromophobe 33.3%、Oncocytoma 28.6%、Angiomyolipoma 0%、その他の良性腫瘍 40%であり、組織型によって偽被膜形成率に有意な差が認められた。癌制御については、局所再発を切り込みなし群の1例に認めた他は、再発・転移を認めなかった。
【結論】径30mm以上の腫瘍、もしくは画像上、非淡明細胞型腎癌が疑われる場合は術中腫瘍切込みリスクが増すので、大きめのマージンを取るなど術式の工夫が必要である。腫瘍切込みなし群では再発・転移は認めなかったが更なる長期の観察が必要である。

キーワード

臓器別:腎・尿路・膀胱

手法別:内視鏡手術

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