演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

ホルモンレセプター発現が低下した低悪性度子宮内膜間質肉腫の一例

演題番号 : P91-10

[筆頭演者]
中川 達史:1 
[共同演者]
沼 文隆:1、岡田 真希:1、平田 博子:1、伊藤 淳:1、平林 啓:1

1:徳山中央病院産婦人科

 

【諸言】低悪性度子宮内膜間質肉腫(low grade endometrial stromal sarcoma: LGESS)は非常に稀な疾患で、標準的治療法は確立されていない。これまでの後方視的研究では、他の子宮肉腫に比べて進行が緩やかで比較的予後良好とされており、I・II期では術後治療をせず経過観察することが推奨されている。今回、我々はLGESSに対する標準術式によって病巣が完全摘出できたにもかかわらず、術後1年で骨盤内再発および胸膜転移を来したIA期症例を経験したので報告する。【症例】54歳、2経妊2経産。不正出血を主訴に近医受診、子宮内膜細胞診が陽性であったため当科紹介。経腟超音波で子宮内膜厚22mm、MRIで1/2以下の筋層浸潤が疑われた。子宮内膜組織診で子宮内膜間質腫瘍と診断され、腹式単純子宮全摘術および両側付属器摘出術を施行した。術後病理診断において、間質細胞によく似た楕円形細胞が主として子宮腔内で増生し、部分的に筋層の1/3の深さまでの浸潤と静脈侵襲を認め、LGESSと診断された。免疫組織学的にCD10、vimentin陽性、αSMA少数陽性であった。腹腔洗浄細胞診は陰性であった。追加治療としてMPA(medoxyprogesterone acetate)600mg/日を16週間投与した。術後1年経過し、2週間以上持続する微熱および食欲不振、腹部膨満感を主訴に受診。CTにて骨盤内を占拠する巨大腫瘍および多数の腹膜播種病変を認めた。試験開腹時、腹腔内は黄色調で易出血性の軟部腫瘍と血性腹水で埋め尽くされており、可及的に腫瘍と播種病巣を摘出した。術後に気胸を2度発症したため胸腔鏡下肺部分切除術を追加した。病理学的にLGESSの骨盤内再発および胸膜転移と診断された。後日追加した免疫組織学的検討で、原発巣のER発現1%未満、PR発現0%、再発腫瘍においては両者の発現がみられなかった。【結語】手術によって病巣を残存なく摘出し得たにもかかわらず、比較的早期に再発し急速に進行したLGESSの一例を経験した。LGESSはI期症例であっても、ホルモンレセプターの有無により術後治療の適応や方法を検討する必要があると考えられた。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:診断

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