演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

初回治療後7年目の再発にHRTの関与が考えられる低悪性度子宮内膜間質肉腫の1例

演題番号 : P91-9

[筆頭演者]
今村 裕子:1 
[共同演者]
山添 紗恵子:1、臼木 彩:1、宮本 泰斗:1、林 信孝:1、小山 瑠梨子:1、上松 和彦:1、池田 裕美枝:1、冨田 裕之:1、大竹 紀子:1、宮本 和尚:1、青木 卓哉:1、星野 達二:1、吉岡 信也:1、今井 幸弘:2

1:地方独立行政法人神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科、2:地方独立行政法人神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院臨床病理科

 

緒言
低悪性度子宮内膜間質肉腫(low-grade endometrial stromal sarcoma,以下LGESS)は子宮体部悪性腫瘍の約0.5%と非常にまれな子宮内膜間質から発生するエストロゲン依存性腫瘍である。比較的予後良好な腫瘍ではあるが、再発症例10例中5例がホルモン補充療法(HRT)を受けていたという報告があり、術後のHRTは控えるべきと考えられている。今回われわれは初回治療より7年後の再発に関してHRTが契機になった可能性のある症例を経験した。
症例
20代女性、子宮筋腫の診断にて他院にてGnRH療法後に手術目的で紹介受診、腹腔鏡下子宮筋腫核出術施行するも子宮筋層との境界が不明瞭にて開腹術に移行し核出した。術後病理診断にてLGESSと診断され子宮全摘術、両側卵巣楔状切除術、骨盤内リンパ節郭清術を施行した。病理検査では摘出した左子宮静脈内に腫瘍塞栓を認め(手術進行期分類IIIa期 日産婦1995,FIGO1988)、術後に全骨盤に放射線療法を施行した。初回治療より7年後、膣炎等の低エストロゲン症状があり、血中ホルモン検査では閉経パターンで腫瘍の再発徴候ないことからHRTを開始した。その9ヶ月後、心窩部痛にて近医受診した際、画像検査にて腹腔内の播種巣を認め再発疑われて当院受診した。開腹腫瘍摘出術施行し、腹壁や肝臓表面に存在した病巣を切除した。術後病理検査でLGESSの再発と確認した。ER,PR陽性であり、術後MPAの内服治療を開始した。現在再発手術後2年経過したが、無病生存中である。
考察
子宮内膜間質肉腫は、非常に稀であるため、標準治療は確立されていないが、基本術式としては単純子宮全摘術および両側付属器摘出術であり、腹水細胞診、播種病巣のサンプリング、リンパ節郭清(生検)も考慮される。ESSは若年女性に発生することも多く、I期で付属期摘出術の有無が生存に差をもたらさなかったことから、卵巣温存が検討されつつある。この症例は手術時はI期と考えたため卵巣を温存したが、その後の放射線療法で卵巣機能は廃絶したと考えられた。初回治療7年経過し再発兆候なかったため、HRTも可能かと判断したが、ESSは発育は非常に緩徐であり、初回治療より10年後や20年後の晩期再発の報告も認められており、長期にわたってより慎重な対応をすべきであった。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:手術療法

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