演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

腹腔鏡下筋腫核出術後の病理学的検討とアイソレーションバッグによる新しい筋腫回収法

演題番号 : P91-5

[筆頭演者]
玉手 雅人:1,2 
[共同演者]
長尾 沙智子:2、染谷 真行:2、竹田 倫子:2、松浦 基樹:1、郷久 晴朗:1、明石 祐史:1、寺本 瑞絵:1、田中 綾一:1、齋藤 豪:1

1:札幌医科大学産婦人科学講座、2:市立釧路総合病院産婦人科

 

【目的】
妊孕性温存を希望する女性にとって腹腔鏡下子宮筋腫核出術(TLM)は低侵襲な術式である。術前に平滑筋腫と診断したが、術後に細胞異型や核分裂像を認め平滑筋腫以外の腫瘍と診断されることが稀にある。その場合の筋腫搬出方法が問題視され、細切によって悪性腫瘍が飛散するのではないかという勧告が出された。当院では、FDAの勧告前から安全な手術を目指して筋腫片の飛散防止について工夫してきた。今回アイソレーションバッグを用いたIBM(Isolation Bag Method)法をTLM症例の後方視的検討とともに報告する。
【方法】
2011年4月から2014年12月までに適応を考慮して腹腔鏡下子宮筋腫核出術を行った219例と過去10年間で腹式子宮筋腫核出手術を行い悪性と診断された閉経前の妊娠希望の女性を比較して後方視的検討を行った。また術前に悪性を否定できない症例に対して、腹腔内にアイソレーションバッグを挿入し袋内を気腹することで密室空間での搬出操作が可能となり、細かい破片や腫瘍の浸出液を回収している。結果はSPSSを用いて統計学的に検討した。
【結果】
腹腔鏡術後、平滑筋肉腫と診断された症例はいなかったが、細胞異型・核異型の増加を認めた症例は全体の4%であり、それぞれ富細胞平滑筋肉腫、類上皮平滑筋腫、悪性度不明な平滑筋腫(STUMP)と診断された。平滑筋種群とそれ以外の病理結果であった群の年齢、BMI、出血量などの周術期背景には有意差は認めなかった。IBM施行症例は手術時間が有意に延長していたが、周術期合併症はなかった。一方、開腹手術後に悪性であった4例は追加治療を行ったが再発、生存率は87.5%である。
【考察】
子宮間葉系悪性腫瘍は、病理学的にも判断が難しいことがあり、モルセレーションによって病理学的な断端の判断が困難となるため、細心の注意を払うべきである。術後悪性所見を認めた症例に関しても腹式と腹腔鏡での再発率に有意差はないことから、筋腫の核出自体が悪性腫瘍飛散の可能性を持つと言える。その中で、IBM法は腹腔鏡手術の長所を最大限生かしながら安全性に配慮できる新しい方法である。妊孕性温存かつ低侵襲な手術と筋腫搬出法の工夫により、安全な手術を追求してゆく。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:内視鏡手術

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