演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

子宮頸癌に対する術後放射線療法後15年目に卵巣癌を発症した1例

演題番号 : P87-10

[筆頭演者]
永井 隆司:1 
[共同演者]
吉里 直子:1、山本 直:2、高木 みか:2、西村 弘:2、三森 寛幸:2

1:医療法人創起会くまもと森都総合病院産婦人科、2:国立病院機構熊本医療センター産婦人科

 

[緒言]子宮頚癌は放射線療法が奏功する悪性腫瘍の一つであり、放射線療法後の長期生存症例も増加しているが、一方で晩期合併症の増加が危惧されており、放射線照射が誘因と考えられる直腸癌や膀胱癌も報告されている。今回我々は、子宮頚癌に対する術後放射線療法後15年目に卵巣癌を発症した1例を経験したので報告する。[症例]40歳、0経妊0経産。25歳にて子宮頚癌Ib期(扁平上皮癌)の診断にて、広汎子宮全摘出術(両側卵巣卵管は温存)を受け、術後に全骨盤照射(50Gy)を施行された。以降、定期的に管理を受け、治療後5年目以降もホルモン補充療法のため3ヶ月毎に外来を受診していた。放射線療法後15年目に腹部膨満感を主訴に近医内科を受診したところ、超音波検査にて多量の腹水貯留を認めたため、当院を再診した。画像検査にて多量の腹水貯留と腹膜・肝臓周囲に播種性結節を認め、大網部に腫瘤形成を認めた。骨盤内に8cmと9cmの嚢胞性一部充実性腫瘤を認め、卵巣癌による癌性腹膜炎が疑われた。腫瘍マーカーはCA125が2823u/mlと上昇していた。開腹術を施行したところ、骨盤内左側に手拳大の嚢胞性腫瘤を認め、原発巣が疑われたが、周囲腸管と浸潤性に癒着しており、摘出は困難と判断した。術中迅速病理組織診断にて漿液性腺癌と診断され、大網部分切除+腸管バイパス手術(回腸-横行結腸)を施行した。術後病理組織診断の結果、卵巣癌Ⅲc期(pT3cNxM0,漿液性腺癌)と診断した。術後にddTC療法を6コース施行したところ、CA125は13.4 u/mlまで低下し、画像検査の結果、骨盤内左側の腫瘤には変化を認めなかったが、播種性結節は消失もしくは縮小したため、両側卵巣卵管摘出および大網摘出術を施行した。摘出組織に遺残病変は認めず、ddTC療法を3コース施行し、以降定期管理を行った。化学療法後11ヶ月目にCA125 が上昇(137.7 u/ml)し、CTにて多発性肺転移を認めたため、TP療法を6コース施行した。治療後に肺野病変は消失し、CA125も正常値まで低下し、現在まで再発は認めていない。[考察] 子宮頚癌に対する放射線照射による二次性発癌の防止のため、卵巣温存手術を行う際には卵管切除を行うことや、術後補助療法の化学療法へ変更を考慮する必要があり、また、二次性発癌を念頭に置いた10年以上の長期管理が必要と考えられた。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:放射線治療

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