演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

子宮頸癌に対する全骨盤照射後の不全骨骨折に関する検討

演題番号 : P87-7

[筆頭演者]
田中 秀和:1 
[共同演者]
加藤 亜希子:1、川口 真矢:1、山口 尊弘:1、岡田 すなほ:1、梶浦 雄一:1、兼松 雅之:1

1:岐阜大学医学部附属病院放射線科

 

【目的】子宮頚癌は比較的予後が良く、長期生存が得られる例が少なくない。子宮頚癌の放射線治療後には晩期障害として不全骨骨折が起こり得ることが知られている。当院での子宮頚癌放射線治療後の不全骨骨折に関して、その頻度や出現時期、好発部位、疼痛出現の頻度などを明らかにする。
【対象と方法】2010年2月~2014年9月までに当院で全骨盤照射を施行し、6ヶ月以上の定期的な画像フォローができた97例を対象とした。根治照射34例、術後照射63例。年齢中央値57歳(29~89歳)。体重中央値50.9 kg(32.0~107.0 kg)。BMI中央値21.1 kg/m2(15.6~40.8 kg/m2)。扁平上皮癌77例、腺癌14例、その他の組織型6例(腺扁平上皮癌5例、未分化癌1例)。T1b1 : T1b2 : T2a : T2b : T3a : T3b : T4 = 30 : 18 : 11: 27 : 0 : 7 : 4。治療前の血清カルシウム値の中央値9.2 mg/dl(7.9~11.1 mg/dl)。分娩回数の中央値2回(0~6 回)、うち分娩3回以上は27例。全骨盤照射の線量中央値45 Gy(39.6~50.4 Gy)。
【結果】経過観察期間は中央値26ヶ月(6~57ヶ月)。不全骨骨折は15例、23部位に認めた(仙骨10例、恥骨5例、腰椎4例、腸骨3例、坐骨1例)。このうち6例で疼痛の訴えがあった。照射終了から不全骨骨折出現までの期間は中央値11ヶ月(2~47ヶ月)、平均12ヶ月。Kaplan-Meier法による1年/2年/3年累積不全骨骨折率は9.0%/16.3%/18.7%であった。Cox regression analysisによる単変量解析では年齢、体重、BMI、血清カルシウム値、出産回数(0~2回 vs. 3回以上)、照射線量、同時併用化学療法の有無のうち、出産回数(p = 0.0202)および照射線量(p = 0.0023)が有意であった。これら2項目に、有意ではないもののp値が低かった年齢(p = 0.0724)を加えた3項目で多変量解析を行うと、照射線量のみ有意であった(p = 0.0053)。
【結語】子宮頚癌に対する全骨盤照射後、15/97例(15.5%)に不全骨骨折を認め、そのうち4割で疼痛を認めた。不全骨骨折に伴う疼痛は軽微であることが多く、患者が自ら訴えないこともある。頻度の比較的高い有害事象であるため、再発チェックの画像検査の際、不全骨骨折の有無も十分観察し、適切な診察・問診を行うことが求められる。

キーワード

臓器別:子宮

手法別:放射線治療

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