演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

頸部リンパ節腫脹を初発症状とした直腸原発神経内分泌細胞癌の1例

演題番号 : P72-9

[筆頭演者]
知念 隆之:1 
[共同演者]
浜比嘉 一直:1、吉村 美優:1、石川 真:1、崎原 正基:1、石原 健二:1、石原 淳:1、座覇 修:1、石原 昌清:1、砂川 宏樹:2、當山 鉄男:2、国吉 真平:3

1:社会医療法人敬愛会中頭病院消化器内科、2:社会医療法人敬愛会中頭病院消化器外科、3:琉球大学大学院医学研究科腫瘍病理学

 

【はじめに】大腸の神経内分泌細胞癌(NEC)は、大腸癌全体の0.03%程度と報告されており、まれな疾患である。悪性度が高く、早期に転移をきたし、予後不良とされている。今回、頸部リンパ節腫脹を主訴に受診し、転移リンパ節生検で診断された、直腸原発のNECの一例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。
【症例】44歳、男性。受診1か月前からの右頚部の腫れと易疲労感で前医を受診。胸腹部CTで、右頸部、Virchow、左腋下、腹腔内に累々とした多発リンパ節腫脹を認めたため、悪性リンパ腫疑いにて、同院血液内科にて右頚部リンパ節生検を施行された。リンパ節生検では大型異型細胞が胞巣を形成しながら浸潤増殖しており、各種免疫染色から神経内分泌細胞癌(NEC;large cell type)の診断となった。当院での精査加療を希望され、紹介となった。PETで、上記リンパ節以外にRS付近にFDGの異常集積を認め、原発病巣の存在が疑われた。CFで、AVから15cm付近に管腔の半周程度の潰瘍を伴った腫瘍性病変を認め、生検では腺癌(tub1+2)であり、リンパ節と異なる結果であった。前医リンパ節検体を再検討したところ、NECとして矛盾せず、Ki67-LIは69.2%であった。また、focalにCDX-2が陽性であり、消化管原発の可能性が高いことから、直腸原発のNEC(NECの成分量によってはMANECの可能性もあり)と考えられた。原発切除後に組織型を詳細に判断して化学療法を行うか、化学療法を先行するか検討したが、StageⅣであり、NECの悪性度が高いこと、腫瘍による症状(出血や閉塞)がないことから患者が化学療法先行を希望したため、化学療法を選択した。化学療法のレジメンは、近年、大腸NECに対し有効例が報告されているmFOLFOX6(+Bmab)での治療を開始した。治療経過は学会にて報告する。
【結語】転移リンパ節生検で診断がついた直腸原発NECの一例を報告した。大腸のNECは報告例が少ないため、発生や病態について明らかになっていないことも多く、有効な化学療法も確立していない。今後の症例の蓄積による、標準的治療の確立が望まれる。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:化学療法

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