演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

化学療法が奏効し,長期生存が得られている進行胃癌,肝,骨転移の一例

演題番号 : P68-11

[筆頭演者]
谷 亮太朗:1 
[共同演者]
沖津 宏:1、松尾 祐太:1、枝川 広志:1、森 理:1、増田 有理:1、池内 真由美:1、藏本 俊輔:1、富林 敦司:1、浜田 陽子:1、後藤 正和:1、湯浅 康弘:1

1:日本赤十字社徳島赤十字病院消化器外科

 

他臓器転移を有する胃癌の予後は不良である.今回,化学療法が奏功し,6年以上の長期生存が得られている他臓器転移を有する進行胃癌症例を経験したので報告する.
症例は71歳男性.2008年3月より食欲不振,体重減少を来したため,8月に近医受診し,上部消化管内視鏡検査にて胃噴門部~胃体部に進行胃癌を認め,精査加療目的で当科紹介となった.
CT検査,骨シンチにて肝転移,L5椎体転移を認め,UM,Less,type2,por,cT4a(SE)N3H2P0M1(OSS) cStageⅣと診断された.切除不能と判断し,9月よりDCS療法(Doc+CDDP+S-1)を1コース施行した.経過中,特記すべき有害事象は認めなかった.10月よりレジメンをS-1+Docに変更して3コース施行したところ,胃原発巣,骨転移はPR,肝転移は画像上消失を認め,CRと判定された.12月よりさらに同レジメンで12コース施行し,肝転移はCRを維持,骨転移は増悪なく,胃原発巣においては生検で悪性所見を認めず,CRと判断した.2010年1月よりS-1単剤による維持治療を開始した.2014年5月にPET-CT含む画像検査を行った結果,転移や再発所見を認めないため,ご本人と相談のうえ一旦化学療法を終了することとした(S-1単剤で計34コース施行).その後3ヶ月毎に経過観察を行っているが,現在まで無再発生存中である.
切除不能進行胃癌は予後不良であり,肝転移を有する症例では1年生存率43.3%,3年生存率は13.9%との報告もある.近年では新規抗癌剤の開発により予後の延長が得られてはいるが,6年以上の長期生存が得られることは極めて稀である.初診時から6年8ヶ月と長期生存が得られている本症例について文献的考察を加え報告する.

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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