演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

胃癌多発肝転移に対しS-1/タキサン系併用化学療法が奏功し長期CRを維持している1例

演題番号 : P68-9

[筆頭演者]
横溝 和晃:1 
[共同演者]
根本 洋:1、関根 隆一:1、新村 一樹:1、櫻庭 一馬:1、梅本 岳宏:1、松原 猛人:1、水上 博喜:1、木川 岳:1、松宮 彰彦:1、八岡 利昌:1、加藤 貴史:1、田中 淳一:1

1:昭和大学藤が丘病院一般消化器外科

 

【症例】79歳男性、既往歴:2002年に狭心症。2004年に直腸癌の手術(stage IIIB)。2006年に盲腸癌に対してEMR。現病歴:前医で2010年9月に胃癌LD, type2, cT4b, cN3a, cH1,Stage IVと診断された。肝転移は多発で両葉を占拠していた。同年10月よりS-1/paclitaxel(PTX)療法が導入されPRと効果を認めた。3コース後に、転居のため当院に紹介されたが、その直後に心不全となり当院循環器内科に入院し経皮的冠動脈形成術が行われた。当科では2011年2月よりS-1/docetaxel(DTX)療法で治療を再開した。同治療を8月まで行い原発巣CR,転移巣PRと判断した。顆粒球減少Grade4、白血球減少Grade3、爪周囲炎を経験したことからS-1単剤に変更し、その後、1年間継続した。肝転移巣もCRと奏功した。結果、22か月間の化学療法を行った。患者はCRの状態を維持したまま、治療導入から54か月が経過したが、再発はみられていない。治療の後遺症も特にみられていない。
【考察】進行再発胃癌の1st lineについては本邦ではS-1/CDDP療法とされるが、高齢者や全身状態にリスクのある患者への使用は慎重さが求められている。本例の場合、S-1にタキサン系抗癌剤を使用したことで結果としてCRに至ることができた。S-1/PTX療法はPhase III試験は実施されていないが、Phase II試験では良好な成績が報告されている。この治療は前医で行われため詳細は不明だが奏功した。狭心症再発との因果関係については不明である。当科では同レジメンの登録がなく、同じタキサン系抗癌剤であるDTXとの併用療法に変更したが、S1単剤という選択もあった。S1/ DTXとS1療法の比較試験であるSTART試験ではS1/ DTX併用療法にOSの延長効果を認めたが、CR率は1/228(0.4%)と非常に低く、CR後無再発の長期生存は大変貴重な症例と考えられた。高齢者でリスクを伴う本例において、S-1/タキサン系抗癌剤の選択は非常に効果的であったと考える。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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