演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

切除不能進行胃癌に対するS-1+DTX療法3例の検討

演題番号 : P68-8

[筆頭演者]
吉田 泰一:1,2 
[共同演者]
進藤 吉明:3

1:秋田大学大学院医学系研究科臨床腫瘍学講座、2:医療法人明和会中通総合病院消化器センター消化器内科、3:医療法人明和会中通総合病院消化器センター消化器外科

 

当院ではHER2陰性の切除不能進行胃癌の化学療法は、カペシタビンとシスプラチン(CDDP)を併用するXP療法が主流である。しかしCDDPの投与は入院を要すること、腎機能不良例には使用できないこと、大量の補液を必要とし高度腹水貯留例には適さないといった問題もある。その場合の選択肢としてS-1+ドセタキセル(DTX)療法が挙げられる。当院で施行した3例において有効性と安全性を検討する。
症例1)73歳、男性、胃十二指腸潰瘍にて幽門側胃切除術後。腹部膨満感のため食欲不振があり当院消化器内科を受診し、精査の結果胃癌と診断された。腹膜播種による腹水の貯留を認めたため、CDDPを使用せずS-1+DTX療法を選択した。画像上はPRであったが、11コース目開始直前に両側小指の爪に感染を起こした。整形外科にて抜爪術を行われ、治癒後にレジメン変更を行った。
症例2)59歳、男性、つかえ感、嘔気、食欲不振、黄疸を主訴に近医を受診し、当院消化器内科を受診した。胃体部に全周性の腫瘍を認め、転移リンパ節が総胆管を圧迫し閉塞性黄疸をきたしていた。5-FU+CDDP療法を開始したが腹水が貯留してきため、S-1+DTX療法に変更した。画像上はSDを継続していたが、爪囲炎が悪化し滲出液や出血が多くなり、レジメンを変更した。
症例3)77歳、男性、つかえ感と食後の嘔吐のため当院を受診した。多数のリンパ節転移を伴う胃癌の食道浸潤と診断し、化学療法を行った。経口薬が困難であるため5-FU+DTX療法を選択した。3コース終了時点で上部消化管内視鏡検査を行い、食道の狭窄に改善が見られたためS-1+DTX療法に移行した。原発巣はSDで経過していたが、経過中に胃癌の治療中であることを忘れるなど、認知機能障害と思われる言動が見られるようになった。そのためご家族とも相談し、治療を終了し緩和ケアへ移行する方針となった。
結果は3例中1例でPRが得られた。治療期間の平均は220日であり、各種臨床試験で報告されているXP療法のPFSと比較しても遜色ない結果であった。1例でgrade3の貧血を認め、輸血を行った。しびれを訴えた患者はいなかったが、2例が爪囲炎の悪化による中止を余儀なくされた。爪囲炎のコントロールができれば、治療期間を更に延長できると思われた。以上よりCDDPが使用できない場合の切除不能進行胃癌の化学療法1st lineには、S-1+DTX療法が考慮されると考えた。

キーワード

臓器別:胃・十二指腸

手法別:化学療法

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