演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

監視療法患者におけるQOL:PRIAS-JAPAN study

演題番号 : P5-8

[筆頭演者]
平間 裕美:1 
[共同演者]
杉元 幹史:1、筧 善行:1、本間 之夫:2、福原 浩:2、松田 公志:3、木下 秀文:3、市川 智彦:4、坂本 信一:4、北村 康男:5、斎藤 俊弘:5、横溝 晃:6、前田 佳子:7、PRIAS-JAPAN 研究グループ

1:香川大学医学部泌尿器科、2:東京大学医学部附属病院泌尿器科、3:関西医科大学腎泌尿器外科、4:千葉大学医学部泌尿器科、5:新潟県立がんセンター新潟病院泌尿器科、6:九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野、7:東京女子医科大学附属青山病院泌尿器科

 

背景と目的
前立腺癌に対する監視療法(Active Surveillance ;以下AS)の国際前向き研究であるProstate Cancer Research International : Active Surveillance(以下PRIAS)-JAPANでは、附随研究としてQOL調査を行っている。PRIAS-JAPANに登録してから3年目までの短期のQOLを評価したので報告する。

対象と方法
PRIAS studyの患者適格規準は、PSA≦10 ng/ml、PSAD<0.2ng/ml/cm3、GS≦3+3、癌陽性コア本数1または2本のcT1c~T2前立腺癌患者。PRIAS study登録に同意が得られた患者は、3か月毎のPSA採血と6か月毎の直腸診、1・4・7・10年目に前立腺再生検を行い、病理学的悪化となるかPSA倍加時間が3年未満となった時点で積極的治療が勧告されるというプロトコールに従って経過観察される。PRIAS-JAPANでは、ASを継続している間、1年ごとのSF-8によるQOL調査を行っている。
評価項目はPCS(身体的サマリースコア)・MCS(精神的サマリースコア)とした。国民標準値(50)との比較および登録時のスコアと1・2・3年目との比較を、全症例および登録時から3年目まで全ての時期で調査が行えた症例で検討した。

結果
2015年3月末時点での登録数は525例(33施設)で、年齢中央値は68(45~87)歳。3か月目以降のデータ入力がなされている401名のAS継続期間中央値は1.68年(0.04か月~5.0年)。SF-8の解析可能な症例数は登録時・1年後・2年後・3年後でそれぞれ363名・234名・89名・37名で、登録時から3年目まで調査が行えたのは23名だった。
全体での登録時・1年目・2年目・3年目の(PCS・MCS)平均値はそれぞれ(51.5・50.6)・(51.0・51.0)・(50.6・51.6)・(48.7・49.6)であり、登録時および1年目のPCSと1年目および2年目のMCSは国民標準値と比較し有意に良好だった。PCSは登録時・1年目と比べ3年目で有意に悪化した(p<0.05)。また全ての調査が行えた23例においては、登録時・1年目・2年目・3年目の(PCS・MCS)平均値はそれぞれ(49.7・48.5)・(51.8・51.9)・(50.0・52.2)・(49.3・49.4)と、全ての時期で国民標準値との有意差は認めなかった。

結語
ASを初期治療として選択した患者のQOLは国民標準値より良好であった。短期の観察期間中ではQOLはほぼ良好なまま維持できていたが、3年目にはPCSが悪化していることがわかった。QOL障害について、今後の長期間の観察が必要である。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:疫学・予防

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