演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

前立腺がん外照射における急性尿路障害に対する牛車腎気丸の効果

演題番号 : P5-6

[筆頭演者]
黒崎 弘正:1 
[共同演者]
内海 暢子:1、木藤 宏樹:2、塩見 誉:2、松崎 香奈子:2、夏山 隆夫:2、金 尚志:2、赤倉 功一郎:2

1:JCHO東京新宿メディカルセンター放射線治療科、2:JCHO東京新宿メディカルセンター泌尿器科

 

(緒言)
前立腺がんに対する放射線治療の有効性については言うまでもないが、その期間中に尿路障害は80%に認められるとされる。頻尿・尿勢低下・排尿時痛などが代表的な症状であるが、これらは可逆的とされ、ガイドラインや成書においてもその対処方法は書かれていない。
(対象と方法)
根治的照射中に急性尿路障害に対して牛車腎気丸1回2.5g食前、1日3回投薬を行った10例について検討を行った。10例のうち4例は根治照射で70Gy/35回/7週間、3例については救済照射および術後照射で66Gy/33回/6.5週間の放射線治療が行われた。
検討項目は夜間排尿回数・IPSS(国際前立腺症状スコア)・QOL(困窮度スコア)・OABSS(過活動膀胱症状質問票)を用いて、1.照射開始前 2.牛車腎気丸投与前 3.牛車腎気丸投与後1週間 4.放射線照射終了時 で検討を行った。
(結果)
牛車腎気丸は18Gy/9回目~48Gy/24回目(中央値24Gy/12回目)の時点で開始されていた。牛車腎気丸投与後1週間で夜間排尿回数は平均3.3回から2.5回と減少(p=0.05)していた(1.照射開始前2.0回⇒2.牛車腎気丸投与前3.3回⇒3.牛車腎気丸投与後1週間2.5回⇒4.放射線照射終了時2.5回)。IPSSについては投与後1週間後には低下を示しており、照射終了時もほぼ同様であった(7.6点⇒12.7点⇒10.1点⇒12.3点)。QOL(2.8点⇒3.9点⇒3.6点⇒3.9点)およびOABSS(5.2点⇒6.6点⇒5.1点⇒5.6点)についても投与後1週間後にスコアの低下が得られていた。なお、投与中投与が原因と考えられる副作用は認められなかった。
(結語)
前立腺がんに対する放射線治療中の急性尿路障害に対して牛車腎気丸7.5g/日の投与によって1週間後の夜間排尿回数の減少が得られており、IPSS・QOL・OABSSの改善傾向が認められた。放射線治療中の急性尿路障害に対する対応方法は漢方薬のみならず、他の薬剤についても、成書等に書かれておらず、今後症例数を増やした検討や予防投与について更なる研究が望まれよう。

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:支持療法

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