演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

前立腺癌に対しデガレリクスによるADTを施行した症例の脂質、筋肉、骨の変化について

演題番号 : P5-4

[筆頭演者]
宮澤 慶行:1 
[共同演者]
古谷 洋介:2、中山 紘史:1、宮尾 武士:1、栗原 聰太:1、加藤 春雄:1、周東 孝浩:1、新田 貴士:1、関根 芳岳:1、野村 昌史:1、小池 秀和:1、松井 博:1、柴田 康博:1、伊藤 一人:1、鈴木 和浩:1

1:群馬大学医学部附属病院泌尿器科、2:公立富岡総合病院泌尿器科

 

【目的】アンドロゲン除去療法(Androgen Deprivation Therapy:ADT)は有転移前立腺癌症例や高齢患者に対して有効な治療法であり,放射線療法との併用など広く用いられているが,しばしば有害事象が問題となる.その中でも脂肪の蓄積,筋肉量の低下,骨密度の低下は転倒リスクの上昇,骨折リスクの上昇をもたらし,QOLや生存率を低下させる大きな要因となる可能性があり,治療早期からの副作用のマネジメントが重要と思われる.今回,デガレリクスを投与した前立腺癌患者47名に対し,治療早期からデノスマブによる骨密度低下対策を併せて行い,脂質,筋肉,骨関連パラメーターへの影響をレトロスペクティブに検討した.【方法】症例は47例(平均年齢73.6歳)で,デガレリクスによるADTを1年間継続し,開始から1年後までの定期受診時に適宜採血,骨塩定量検査(DXA法)により骨密度の変化を測定,CT画像解析により,臍部断面の脂肪面積(全脂肪組織,内臓脂肪,皮下脂肪)の変化と左右腸腰筋面積の和を評価した.ADT開始前の骨塩定量検査でYAM 80 以下の症例にはADTによる骨密度の低下を考慮しプラリアの使用を検討し投与した.骨転移を有する症例では,EOD≧2の症例にはランマーク,EOD=1の症例ではプラリアの使用を検討した.【結果】体重は1年間で3.22 %の増加,BMIは3.71 %の増加,総コレステロールは8.91 mg/dlの増加,中性脂肪は25.2 mg/dlの増加,血中Hb値は0.96 g/dlの低下を認めた(いずれもp<0.05).CT画像による解析では,1年間で全脂肪面積21.7 %増加,内臓脂肪量19.2 %増加,皮下脂肪量22.3 %増加,左右腸腰筋断面積の和は6.54 %減少と有意に変化した(いずれもp<0.001).内臓脂肪/皮下脂肪の比については有意な変化を認めなかった.大腿骨頚部における骨密度の検討では,デノスマブ治療群(n=20)において0.31 %増加(p=0.755)し,非治療群(n=25)で2.66 %減少した(p<0.001).腰椎における骨密度の検討ではデノスマブ治療群(n=19)において2.95 %増加(p=0.013)し,非治療群(n=26)で3.10 %減少した(p<0.001).【結論】デガレリクスによる1年間のADTにより,体重,BMIの増加,脂肪量増加,筋肉量低下を認めた.骨密度も低下する傾向を認めたが,デノスマブ使用により低下を抑制する事ができた. ADTの副作用をマネジメントすることでさらなる予後改善に繋げたいと考えている.

キーワード

臓器別:前立腺・男性生殖器

手法別:内分泌・ホルモン療法

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