演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

泌尿器がんに対する手術前後における、SF36を使用したQOL調査

演題番号 : P5-1

[筆頭演者]
大庭 康司郎:1 
[共同演者]
中村 裕一郎:1、安田 拓司:1、浅井 昭宏:1、松尾 朋博:1、宮田 康好:1、酒井 英樹:1

1:長崎大学病院泌尿器科

 

(目的) 泌尿器外科領域においては低侵襲手術の進歩がめざましく、多くの泌尿器科がんに対し腹腔鏡手術が行われるようになった。これまでの報告により泌尿器腹腔鏡手術によるがんの根治性は、開放手術と遜色のないものであることが示されてきたが、手術前後の系統的なQOL評価に関する報告は十分ではない。特に高齢者においては手術に伴う侵襲とQOLの検討は必要であると思われる。今回、泌尿器科がんに対する手術前後のQOLの変化について検討した。
(方法) 2010年4月から2015年3月までに、当科において泌尿器科がんに対し開放手術および腹腔鏡手術を施行された患者のうち、手術前後で健康関連QOL調査票に回答していただいた123名が対象。調査票としては、世界で最も広く使われているSF36を用いた。方法は、術前および術後半年にSF36に回答していただき、8つの下位尺度(身体機能、日常役割機能-身体-、体の痛み、全体的健康感、活力、社会生活機能、日常役割機能-精神-、心の健康)の得点を標準化し、術前後での変化を比較評価した。また、術式や年齢によるQOLの変化についても検討した。
(結果) SF36の回答を回収できた開放手術患者の内訳は、腎摘・腎尿管全摘術が9例、前立腺全摘術が11例、腎部分切除術が2例、膀胱全摘除術が2例で、腹腔鏡手術患者の内訳は、腎摘・腎尿管全摘術が29例、前立腺全摘術が62例、腎部分切除術が8例、膀胱全摘除術が1例であった。SF36の各下位尺度(術前、術後)の平均値は、身体機能(45.14、44.61)、日常役割機能-身体-(44.18、44.51)、体の痛み(52.40、52.91)、全体的健康感(46.37、46.59)、活力(50.93、51.53)、社会生活機能(47.69、48.48)、日常役割機能-精神-(46.26、46.97)、心の健康(48.64、51.73)であった。術前後での各尺度の変化については、腹腔鏡手術群では開放手術群と比較し、心の健康において有意な改善を認めた(+4.16:-1.52, p=0.015)。さらに腹腔鏡手術前後でのQOLの変化については、高齢者の群では非高齢者の群と比較し、日常役割機能-身体-および心の健康の有意な改善を認めた(+3.39:-1.13, p=0.037および+6.45:2.12, p=0.034)。
(結論) SF36によるQOL調査での検討の結果、泌尿器科がんに対する腹腔鏡手術は開放手術と比較して、心の健康に関するQOL改善が期待できる可能性が示唆された。さらに腹腔鏡手術後のQOLは高齢者において、より改善する可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:その他

手法別:QOL

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