演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

当院でベバシズマブを併用した進行・再発卵巣癌18例の検討

演題番号 : P36-9

[筆頭演者]
南 里恵:1 
[共同演者]
舟本 寛:1、野村 学史:1、田中 友理:1、細野 隆:1、炭谷 崇義:1、舌野 靖:1、中島 正雄:1、飴谷 由佳:1、谷村 悟:1、中野 隆:1

1:富山県立中央病院産婦人科

 

【目的】2013年11月にベバシズマブが卵巣癌に保険適応となり当院でも18例の使用例を経験した。使用症例数は少ないが有効性や安全性など当科での使用状況を後方視的に検討し今後の適応基準を再考する。
【方法】2013年12月から2015年1月までにインフォームドコンセントを得た卵巣癌症例で、初回治療4例(術前2例・術後2例)再発治療14例にベバシズマブを併用した。進行分類はFIGO 3C期13例、4期3例、2期1例、1期1例であり、漿液性腺癌14例(G3:11例、G2:3例)明細胞腺癌3例 癌肉腫1例であった。うち7例で初回手術・再発手術で腸管合併切除術を施行されていた。併用化学療法レジメンはcTC8例、GC8例、他単剤6例であり、プラチナ感受性症例は12例、抵抗性症例は6例であった。ベバシズマブ使用前の平均レジメン数は1.5で3レジメン以上の症例が3例いた。現時点で3例が化療後ベバシズマブ単独治療を継続していた。観察中に4例は原疾患で死亡した。
【結果】 ベバシズマブによる有害事象発生率は粘膜出血5例(27%)、蛋白尿2例(11%)、投薬を要する高血圧が4例(22%)いたが腸管穿孔や血栓症の発症はなかった。化療による有害事象としては投与9回目および11回目投与に際しCBDCAアレルギーを発症しレジメン変更した症例が2例いた。GC併用症例1例で血小板輸血を必要であったが、他は変更なく化療を継続できていた。治療効果を検討すると治療前後で画像評価可能な8症例ではPR2例、SD2例、PD4例であった。PD例はリンパ節転移増大が多かった。注目した症例として3C期漿液性腺癌のNAC併用例でRECIST評価はPR、手術検体病理標本では微小病変のみと著効した1例を経験した。また大量腹水再発症例1例に併用し劇的な改善を認めた。
【結論】現在のところ治療を中止するような有害事象はなくベバシズマズ併用を安全に施行できていた。ベバシズマブは化療効果を高めて腫瘍を縮小・消失させ腹水産生を抑制する作用があり進行癌症例や癌性腹膜炎症例にとって有用な薬剤となりうると考えられた。併用することで腫瘍減量から完全摘出可能になり再発抑制効果が延長することが期待できるが、長期に渡る治療となるため、引き続き有害事象に気を付けながら行っていくことが重要である。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:分子標的治療

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