演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

当院における卵巣癌・卵管癌に対するbevacizumab導入時の高血圧対策について

演題番号 : P36-8

[筆頭演者]
郭 翔志:1,3 
[共同演者]
中川 哲也:1、天野 創:1、脇ノ上 史朗:1、竹林 明枝:1、木村 文則:1、高橋 健太郎:2、村上 節:1

1:滋賀医科大学医学部産婦人科、2:滋賀医科大学医学部地域周産期医療学講座、3:東近江総合医療センター産婦人科

 

2013年12月より婦人科分野においても、進行・再発卵巣癌、卵管癌に対して分子標的薬であるbevacizumabの保険適応が承認されたが、婦人科における分子標的薬の承認はbevacizumabが最初であるため、特有の重篤な副作用である腸管穿孔の他、比較的頻度の高い高血圧や蛋白尿などへの対策にも婦人科医は不慣れで苦慮することも少なくない。我々は2014年3月以後、11例の患者に対し、のべ75回、bevacizumabを含む化学療法を行った。特有の副作用として、腸穿孔は、腸管切除を施行した患者においても見られなかったが、頻度が最も高いといわれている高血圧については、血圧200mmHg以上となる重篤な症例を2例経験した。そこで今回我々が行ったbevacizumabの副作用である高血圧に対する降圧薬の使用経験を報告する。
まず当院での使用指針としては、卵巣癌、卵管癌IIIC期以上の術後first lineとして、tri weekly TC(パクリタキセル+カルボプラチン)2コース目よりbevacizumabを併用。TC終了後はbevacizumab単剤のメンテナンス治療を継続としている。
血圧200mmHg以上の重篤な高血圧が2例に認められたが、1例目はbevacizumab導入前の血圧が176/73mmHgと高く、開始前よりARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)のイルベタン(50mg)と、Ca拮抗薬のアムロジピン(5mg)を内服していた。しかし、bevacizumab導入1か月後の定期外来受診時の血圧が224/89 mmHgであったため、Ca拮抗薬による緊急降圧薬を使用し、さらに降圧薬を増量し以後は血圧は安定しbevacizumab投与を継続できている。2例目はbevacizumab導入前の血圧は142/74mmHgであり、降圧薬の内服はしていなかったが、bevacizumab導入3か月後に深夜に強い頭痛で目が覚め救急搬送となり、来院時の血圧が204/110mmHgであった。2例目もCa拮抗薬の内服による緊急降圧にて軽快し、以後はARBを開始し血圧安定し、bevacizumab投与を継続できている。現在さらに症例を蓄積しているが、その使用経験について文献的考察を加えて報告する。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:化学療法

前へ戻る