演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

卵巣癌, 腹膜癌患者19例に対するBevacizumabの使用経験

演題番号 : P36-5

[筆頭演者]
山口 まどか:1 
[共同演者]
佐藤 豊実:1、伊藤 浩子:1、天神林 友梨:1、中村 優子:1、中尾 砂理:1、櫻井 学:1、越智 寛幸:1、小貫 麻美子:1、水口 剛雄:1、松本 光司:1、吉川 裕之:2

1:筑波大学医学医療系 産科婦人科学、2:茨城県立中央病院

 

【目的】卵巣癌は2013年11月からBevacizumab(Bev)の保険適応となった. Bev投与は添付文書の「効能・効果に関連する使用上の注意」および「用法・用量に関連する使用上の注意」により, 化学療法未治療例を対象とした国際共同臨床試験(GOG-0218試験)を参照して行う事とされる. 一方, 日本人の登録はないが, プラチナ抵抗性・感受性, 各々の再発患者が対象の第III相試験でもBevの有効性は検証されている. 当院では十分なインフォームドコンセントのもと再発患者にもBev投与を行っており, 今回, 当院での本薬剤使用全患者を対象に使用経験を報告する. 【方法】自費診療でBevを用いた2006年の再発卵巣癌患者1名と2013年12月から2015年3月までにBevを用いた卵巣癌(腹膜癌を含む)患者18名(初回3名, 再発15名)を対象とした. 年齢, PS, 組織型, 既往レジメン数, 併用化学療法, 治療効果および有害事象を調査した. 【結果】年齢中央値は61歳. PSは0, 1, 3がそれぞれ14名, 1名, 4名であった. 初回治療3名はいずれもIIIC期(明細胞腺癌[CCC]2名, 漿液性腺癌[SAC]1名)で手術はoptimalである. 再発16名(CCC4名, SAC10名, 類内膜腺癌1名, 混合 [CCC+SAC]1名)はいずれもBev投与時にはプラチナ耐性で, 既往レジメン数は1が5名, 2が7名, 3が3名, 4が1名であった. Bevの併用レジメンは初回治療ではいずれもpaclitaxel(T)+carboplatin, 再発ではtopotecanが14名, Tが2名であった. Bev投与中の最良効果はCR1名, PR3名, SD4名, PD8名で, 腫瘍マーカーの減少は10名に認め, 腹水によりPS3となっていた4名は腹水が著明に減少し退院可能となった. Grade3以上の有害事象は, 結腸穿孔1名, 血液毒性17例, 結腸出血1例, 肺塞栓症1例があり, Bev特有の有害事象としてはGrade2以下ながら十二指腸穿孔1例, 高血圧1例, 蛋白尿1例を認めた. 【結論】再発卵巣癌患者では, Bev投与により腹水の著明な減少によるQOLの改善が得られるなど有効性を認めた患者がいる一方で, 消化管穿孔をはじめとした重篤な有害事象も経験した. Bev投与に際しては, 患者・家族・医療者がそのリスクを十分に納得した上での合意の形成が特に必要と考える.

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:分子標的治療

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