演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

卵巣癌、卵管癌、腹膜癌に対するアバスチンの効果および安全性における検討

演題番号 : P36-2

[筆頭演者]
西村 正人:1 
[共同演者]
炬口 恵理:1、河北 貴子:1、阿部 彰子:1、苛原 稔:1

1:徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部産科婦人科

 

目的:近年進行卵巣癌に対してアバスチンが使用されるようになったが、日本人に対する安全性については十分確認されていない。卵巣癌、卵管癌、腹膜癌患者に対するアバスチンの効果・安全性について検討した。対象:15例の症例が投与の対象となったが、消化管への広範囲な浸潤が否定できない2症例に対しては投与の可否を慎重に検討し化学療法単独とした。また1例ではアバスチンの併用を希望されなかった。残りの12例(卵巣癌9例、卵管癌1例、腹膜癌2例)に対してアバスチンを使用した。初回治療として使用したもの(初回群)が4例、再発時に使用したもの(再発群)が8例であった。結果:初回群で行った化学療法はPaclitaxel, Carboplatin(TC)が3例、dose dense TC(ddTC)が1例であった。このうち3例は初回化学療法終了時に寛解にいたり、アバスチン単独でのmaintenance療法を行っている。この3例のうちddTC 4コース後の手術で不完全摘出に終わった卵巣癌IIIc期の症例では、術後TC 6コース施行時にアバスチンを併用し、その後アバスチン単独治療で寛解状態を継続している。また卵巣癌IV期の1例は初回化学療法時に寛解に至る前に再燃し、引き続きtopotecanとアバスチンの併用療法に移行した。一方、再発群のうち、前治療より12ヶ月以上経過したsensitive群2例はTC, docetaxel, carboplatin (DC)に1例ずつ併用した。2例とも寛解には至らず、治療継続中である。6-12ヶ月のpartially seneitive群1例はGemcitabine, carboplatin (GC)と併用し、治療中である。6ヶ月未満のresistance群はGemcitabine 3例、topotecan 1例、irinotecan 1例と併用した。このうち、術前化学療法(ddTC)中に再燃し、Gem+Bev併用に変更した症例では腫瘍の縮小を認めたが、手術での完全摘出は不可能であった。またアバスチン併用群においては腹水の貯留は抑制されていた。安全性の検討では高血圧で降圧薬の併用が必要になった症例が2例、うち1例はアバスチンの併用を中止した。蛋白尿(++)が1例であった。消化管穿孔、血栓症は認めなかった。結論:対象を慎重に選択すれば、アバスチンは安全に投与できると考えられた。再発症例に対する効果は限定的なものであったが、腹水のコントロールには効果を認めた。今後、さらに症例を追加し、効果と安全性を検討する必要がある。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:分子標的治療

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