演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

卵巣癌/腹膜癌に対するbevacizumabの奏効率と有害事象~多施設での使用経験の報告~

演題番号 : P36-1

[筆頭演者]
山口 正博:1 
[共同演者]
渡利 英道:2、野村 英司:1、涌井 之雄:3、首藤 聡子:4、見延 進一郎:4、東 正樹:5、櫻木 範明:2

1:医療法人王子総合病院産婦人科、2:北海道大学医学部婦人科、3:KKR札幌医療センター産婦人科、4:独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター婦人科、5:日本赤十字社釧路赤十字病院産婦人科

 

【目的】卵巣癌に対して2013年11月に適応拡大されたベバシズマブの使用例に関する臨床データを多施設で集積して解析し、本邦でのbevacizumabの奏効率や有害事象に関する知見を得る。
【対象と方法】平成25年12月1日~平成27年2月までに進行卵巣癌初回治療あるいは再発卵巣癌の治療としてbevacizumabの投与が開始された症例を対象とし、他施設へのアンケートによる後向き観察研究を行った。
【成績】40名にアバスチン®を化学療法と併用で使用した。投与開始時年齢は中央値56.5歳(28~76歳)でperformance status(PS)は0が38名、1が1名、3が1名であった。投与間隔は3週毎が20名、4週毎が18名で、投与量は全例で15mg/kg(1名のみ7.5mg/kgに減量)であった。投与回数中央値は6コース(1~14コース)で観察期間中央値は6ヶ月(1~13ヶ月)であった。併用化学療法はTC療法が25例で最も多く、weekly paclitaxelが5例、TP減感作3例、PLD2例、GC1例、CPT-P2例、GD2例、topotecan1例であった。初発卵巣癌/腹膜癌が10例(ⅡB期1例、ⅢC期5例、Ⅳ期3例)、再発/治療抵抗卵巣癌が30例であった。治療歴は1st lineが9例、2nd lineが16例、3rd lineが9例、4th line以上は6例であった。組織型はserous26例 clear7 例endometrioid 3例 その他4例であった。投与開始時点で評価可能病変のない例が10例で、うち1例に再発を認めた。RECISTによる評価が可能な例は29例で、CR4例、PR10例、SD13例、PD2例であった。有害事象は血液毒性や、高血圧、蛋白尿、鼻出血などが高頻度に認められた。消化管穿孔は認めなかった。投与中止例は10例で、投与中止事由としてはPDが5例、有害事象が3例(Grade3高血圧、Grade4血小板減少、Grade3肺血栓塞栓症)で患者希望が1例であった。
【結論】本研究においては病勢制御率は高く、有害事象は許容範囲内であり、安全かつ有効に使用できる薬剤であると考えられた。しかし卵巣癌/腹膜癌に対するbevacizumabの本邦での使用経験は未だ少なく、本研究でも施設間での投与方法の違いが大きいことも明らかとなった。今後は前方視的な研究によって、適切な投与方法の確立とさらなる有効性・安全性の解析が必要となると考えられた。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:分子標的治療

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