演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

再発婦人科悪性腫瘍患者に対する積極的CVポート留置術導入の効果

演題番号 : P34-5

[筆頭演者]
田中 哲二:1 

1:医療法人朋愛会サンタマリア病院産婦人科

 

【目的】CVポートを用いた抗癌剤治療の主対象者は、FOLFOX療法のような持続点滴患者や、末梢血管確保困難患者などである。婦人科領域癌患者では、後者が主な手術対象者であるが、普及率は低い。再発癌末期癌患者の積極的治療を扱っている当院は、2年前から原則として治療患者全例にCVポート留置術を実施している。そこで、婦人科領域進行癌患者に対するCVポート留置術の有効性と安全性を再評価した。
【対象】平成24年1月から平成27年4月までの40ヶ月間に、右内頸静脈CVポート留置術を受けた再発婦人科悪性腫瘍患者99例(緩和ケア10例、積極的抗癌剤治療89例)の術後成績を再評価した。内訳は子宮頸癌22例(55.9+/-15.8歳)、子宮体癌15例(64.9+/-11.9歳)、卵巣卵管癌46例(59.5 +/-10.9歳)、原発不明癌性腹膜炎16例(65.9+/-9.2歳)。
【成績】CVポート拒否患者ゼロ。CVポート目的は、血管確保困難34例、高カロリー輸液・大量輸液必要33例、抗癌剤治療目的32例。初診時・治療開始早期に脱水症で持続輸液を要した患者64例、うち31例はイレウス併発。早期の閉塞性黄疸併発症例5例。治療終了後のポート抜去希望者は完全寛解導入したイレウス併発卵巣癌1例のみ。留置術術中合併症は動脈穿刺1例。ポート周囲皮下広汎出血2例のうち1例のみ電気メス止血を要した。気胸、血胸、不整脈発作、塞栓血栓症等はゼロ。数例にガイドワイヤーの内頸静脈頭方迷入有り、即座に再穿刺で対処した。皮膚が極めて硬くて皮膚切開や穿刺針刺入困難だった1例と、体重110kgのために狭い病室で手術した1例を除き、全例、手術室退室まで1時間以内に完了。CVポートカテーテル長期合併症として、カテーテル関連感染症ゼロ、カテーテル血栓塞栓症ゼロ、カテーテル閉塞1例(高カロリー輸液内容の化合物結晶析出による閉塞で、カテーテル交換は要せず)、カテーテル断裂1例(原因不明、カテーテル交換実施)、患者の点滴自己抜去に伴う血液逆流放置によるポート閉塞1例(ポートのみ交換)。CVポート留置による頸部胸部局所違和感の訴え、ポート・カテーテル留置部位の美容的トラブル等はゼロ。
【結論】CVポート留置術は容易かつ安全で、長期的合併症もほとんどない。化学療法を安全に長期間行う場合、癌性腹膜炎併発による栄養不良や脱水症の合併率の高さ、確実に時間通りに抗癌剤治療を行う場合など、婦人科領域悪性腫瘍患者にも婦人科医でも容易に積極的に導入可能な手段である。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:化学療法

前へ戻る