演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

婦人科悪性腫瘍摘出に際し他臓器合併切除を要した症例の検討

演題番号 : P34-3

[筆頭演者]
水野 林:1 
[共同演者]
芦原 隆仁:1、宇田 さと子:1、樋口 壽宏:1、財間 正純:2、大西 裕之:3、勝山 和彦:4、朴 昌禧:4

1:滋賀県立成人病センター婦人科、2:滋賀県立成人病センター外科、3:滋賀県立成人病センター泌尿器科、4:滋賀県立成人病センター心臓血管外科

 

婦人科悪性腫瘍の治療に際しては、初回治療および再発治療に関わらず、手術時の病変摘出完遂度が重要な予後因子であり、他科協力の下で他臓器合併切除を要することも多い。2008年1月から2014年12月の期間に、当院当施設で婦人科悪性腫瘍摘出に際し他臓器合併切除を行った47症例について手術内容を検討し、合併症発症や予後に影響する要因について検証した。
対象症例の手術時期は、初回手術22例、interval debulking surgery 8例、再発・再燃17例であった。がん種は卵巣癌・卵管癌・腹膜癌31例、子宮頸癌9例、子宮体癌2例、子宮肉腫2例、その他3例であった。全症例で肉眼的な病変摘出を完遂した。
他臓器合併切除は、消化管合併切除29例、肝胆膵合併切除7例、横隔膜合併切除10例、泌尿器合併切除7例、脈管合併切除6例であり、14例に複数臓器の合併切除を施行した。16例(34.0%)に術後合併症を認め、主にイレウス5例、感染3例、縫合不全3例、膀胱腟瘻2例であった。手術時間、出血量、年齢、切除臓器の種類、術前化学療法の有無は、合併症群と非合併症群を比較しても有意差は認めなかった。術後合併症の影響としては、術後治療の開始日に関しては有意差をもって合併症群で延期が必要であったが(p<0.05)、PFSおよびOSは両群間で有意差は認めなかった。なおPFSの予後因子として出血量や手術時間、切除臓器、合併症の有無は影響しない結果となったが、初回手術群は再発手術群に比して有意にPFSが長く(p<0.05)、他臓器合併切除を含む手術は早い段階での治療として考慮すべきである可能性が示唆された。OSに関しても同様に有意な手術侵襲による寄与因子は認めなかった。またOSは初回手術群と再発手術群で有意差を認めず、再発症例に対しても初回治療と同様に、可能であれば他臓器合併を含めた手術の施行意義があると考えられた。
婦人科悪性腫瘍に際してoptimal surgeryを完遂するためには他臓器合併切除が必要なことも多いが、手術合併症は比較的許容し得る範疇であり、初回治療のみならず再発治療としても施行意義があることが示唆された。

キーワード

臓器別:その他

手法別:手術療法

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