演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

腸管子宮内膜症癌化の1例

演題番号 : P33-11

[筆頭演者]
佐藤 正幸:1 
[共同演者]
金澤 孝祐:1、長谷川 康弘:1、山本 久仁治:1、木内 誠:1、三浦 康:1、藤谷 恒明:1、椎葉 健一:2

1:独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター消化器外科、2:石巻市立病院外科

 

【はじめに】子宮内膜症癌化の頻度は1%以下で、その約80%は卵巣に発生するといわれている。卵巣以外の原発の子宮内膜症の悪性化はまれであり、腸管子宮内膜症から発生した悪性腫瘍はendmetriosis-associated intestinal tumor : EAITと称されている。今回われわれはEAITを経験したので報告する。
【症例】58歳女性。39歳時に子宮内膜症で半年間薬物療法の治療歴がある。2012年3月頃より胸やけ、下痢があり投薬を受けていたが、2014年2月頃より上腹部違和感ひどくなり近医受診。腹部CTで肝腫瘍を指摘され、下部内視鏡検査で直腸腫瘍を認めたため、精査目的で当院紹介となった。腹部は平坦、軟で腫瘤を触知せず。直腸指診では腫瘤を触知せず。腫瘍マーカーはCA125が47 U/mLとやや高値であった。下部大腸内視鏡で直腸S状部付近に IIa+IIc様病変あり。生検で低分化様腺癌 CK7(+) CK20(-)で婦人科由来が示唆された。注腸造影検査では直腸S状部からS状結腸は癒着強度であり、腫瘍の描出は困難であった。CT検査で同部位の腸管壁の肥厚を認めた。また、右卵巣部に内膜症性囊胞と考えられる径2cm大の病変を認めた。肝臓は画像上血管腫であった。MRI検査では直腸S状部にT1で軽度高信号、T2で高信号を呈する径1cm大の病変を認めた。子宮内膜症の既往と生検結果より腸管子宮内膜症の癌化を疑い、直腸高位前方切除術+両側卵巣摘出術を施行した。両側卵巣はチョコレート囊胞で直腸S状部からS状結腸は癒着高度で左卵巣を巻き込むように硬い約70mm大の腫瘤状であった。病理検査所見は両側卵巣と直腸筋層から周囲の脂肪組織内に子宮内膜症を認めた。 また、直腸粘膜から粘膜下層を中心に核小体肥大、淡明な細胞質を有する腫瘍細胞が充実性から腺管構造を示しながら増殖し、筋層内では卵巣の明細胞癌や漿液性腺癌に類似形態であった。一部子宮内膜症から腺癌への移行像も認めた。免疫染色では CDX2(-)PAX8(+)であった。以上よりEAITと診断した。リンパ節転移も認めたことから、TC療法を導入した。その後、背部痛を訴え精査したところ術後約1ヶ月で多発骨転移を認め、治療効果もなく術後8ヶ月で死亡した。EAITの本邦報告例はまれであり、文献的考察を加え報告する。

キーワード

臓器別:大腸・小腸

手法別:診断

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