演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

早期再発を認めたAdult type granulosa cell tumorの1例

演題番号 : P33-4

[筆頭演者]
山田 敦子:1 
[共同演者]
須賀 新:1、大石 みのり:1、北川 友香梨:1、西澤 しほり:1、関根 花栄:1、石黒 共人:1、永井 富裕子:1、糸賀 知子:1、西岡 暢子:1

1:越谷市立病院産婦人科

 

【諸言】
AGCTは全卵巣腫瘍の1~2%と比較的稀な腫瘍であり、約20%は初回治療後10年以上経過して再発を認める。90%以上が片側性でⅠ期が多く、長期予後は良好であるとされているが、進行例の中には初回治療から短期間での早期再発症例や急速な転帰をたどる場合もある。今回、StageⅠc期で初回治療5か月後に再発をした症例を経験したので報告する。
【現病歴】
症例は56歳、既往歴として50歳時に上行結腸癌(A.mod,type2,pSS,pN0,aM0,fStageⅡ)にて結腸右半切除術。骨盤MRIで20cm大の造影効果を伴う腫瘍を認め、卵巣癌を疑い手術となった。迅速病理診断にて明細胞腺がんと診断されたため、腹式単純子宮全摘出術、両側付属器切除術、骨盤・傍大動脈リンパ節廓清、大網切除術を施行。術中に被膜破綻を認めたが残存病変は認めなかった。
病理組織所見は、αインヒビン陽性の小型細胞がびまん性に増殖しておりMitotic index 5/10HPFであった。更に、腹水細胞診では、腫瘍細胞と同様の細胞を認めた。以上よりAGCT FIGO ⅠC1(2014) pT1cNOMO と診断された。AGCTⅠ期に対する化学療法の明白なエビデンスがないことを説明し、術後追加治療は行わなかった。
術後5か月目に膵嚢胞フォローのため、内科で施行したMRCPにて肝右葉下極に7cm大の腫瘍を認め、腫瘍再発を疑い、腫瘍切除術を施行した。腫瘍は肝右葉腹膜に付着しており、腫瘍を完全に切除することができた。病理組織所見はAGCTであった。追加治療は行わず経過観察中である。
【考察】
AGCTの再発リスク因子として支持されているのは臨床進行期のみであり、Ⅰ期における予後不良因子として被膜破綻、Mitotic index 4/10HPF以上、腫瘍径10cm以上が挙げられる。AGCTのⅠ期再発高リスク症例、Ⅱ~Ⅳ期症例においてTC療法やBEP療法など術後補助療法が考慮されるが、標準治療は確立していない。TCの奏効率は54%程度と報告される。当院ではⅠ期の完全切除例に対しては経過観察としており、過去十年間のAGCT12例において再発は本症例だけであった。また、再発時の治療法も一定の見解はなく、手術による完全摘出が長期生存を示唆する報告があるため、本症例においても再発手術後は経過観察とした。
【結語】
今回、AGCT StageⅠc1期で初回治療5か月後に早期再発を認め、手術によって腫瘍を摘出し得た症例を経験した。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:診断

前へ戻る