演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

甲状腺クリーゼを合併した悪性卵巣甲状腺腫の一例

演題番号 : P33-3

[筆頭演者]
村上 文洋:1 

1:社会医療法人雪の聖母会聖マリア病院産婦人科

 

悪性卵巣甲状腺腫は卵巣腫瘍の0.1%以下と極めて稀な腫瘍である。今回我々は甲状腺クリーゼが疑われ、精査・治療中に卵巣腫瘍を指摘され開腹手術を施行し、後日悪性卵巣甲状腺腫と診断された症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。症例は44歳女性、3経妊2経産、息苦しさと動悸を主訴に当院へ救急搬送となった。Basedow病の診断にて精査・加療中にMRI検査にて17㎝大、7.5㎝大の嚢胞性腫瘤を認め、両側卵巣腫瘍の診断にて開腹手術を施行した。腹腔内所見は、腹水は漿液性で少量、細胞診は陰性でした。子宮は正常大、両側卵巣に腫瘍を認めたが播種性病変は認めなかった。右側腫瘍割面の肉眼所見は単嚢胞性腫瘤で壁の一部に充実性腫瘍を認めた。病理組織標本の所見は線維化、硝子化を伴う結合織と異型に乏しい立方上皮と組織球やコロイドを貯めた濾胞上皮からなる甲状腺組織一部で角化型重層扁平上皮や多列繊毛上皮、脂肪組織、平滑筋を認め、未熟な成分なし。壁在結節部の一部で乳頭状構造を呈する上皮の増殖を認め、核溝や核内封入体が散見され、一部で石灰化や砂粒体を認める。teratoma内の甲状腺由来のpapillary carcinomaの所見を認めた。以上の所見より悪性卵巣甲状腺腫と診断されたことから後日、staging laparotomyを施行した。追加検体からは悪性細胞は認められず、腹水細胞診も陰性であった。本症例では残存腫瘍を認めなかったため、追加治療は施行せず外来経過観察中である。現在まで再発所見は認めていない。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:診断

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