演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

卵巣成熟嚢胞奇形腫から肉腫への悪性転化を認めた一例

演題番号 : P33-2

[筆頭演者]
宮城 香乃子:1 
[共同演者]
大久保 理恵子:1、塩見 真由:1、村上 淳子:1、桑鶴 知一郎:1、浦上 希吏:1、中川 美生:1、吉岡 恵美:1、鶴田 智彦:1、田島 里奈:1、堀 謙輔:1、伊藤 公彦:1、後藤 孝吉:2、永野 輝明:2、中塚 伸一:2

1:独立行政法人労働者健康福祉機構関西労災病院産婦人科、2:独立行政法人労働者健康福祉機構関西労災病院病理診断科

 

75歳女性。腹部膨満、食欲不振を主訴として前医を受診した。超音波断層法、CTにて骨盤腔から腹腔内にかけて充実部を伴う巨大な多房性嚢胞性腫瘤を両側に認めた。腫瘍マーカーの上昇はCA125のみ42.7U/mlと軽度上昇していた。精査加療目的に当科紹介受診となった。
造影MRIにてダグラス窩に約10cm大の充実部を伴う脂肪成分を多く含む腫瘤を認めた。充実部には石灰化を伴い、腫瘤内部には液面形成を認めた。腹側は脂肪成分、背側は血清や粘稠な液体成分を疑う所見であり、成熟嚢胞性奇形腫が疑われた。また上腹部に約10cm大の拡散強調画像(DWI)にて高信号で造影される充実部を伴う多房性嚢胞性腫瘤を認めた。悪性両側卵巣腫瘍を疑い手術を施行した。術中迅速組織診断にて肉腫もしくは癌肉腫疑いであったため、子宮全摘+両側付属器摘出+大網部分切除+回盲部・小腸部分切除術を施行し、肉眼的残存病変なしのcomplete surgeryを完遂した。腫瘍は巨大な充実部を含む嚢胞性病変であり、内部に毛髪、皮脂を認めた。組織学的に嚢胞は成熟奇形腫であり、充実部は広範な壊死と多数の分裂像を伴う異型紡錘形細胞の増生する病変であった。胎児型の未熟組織を伴わないことから、未熟奇形腫は否定的であり、成熟奇形腫から発生した肉腫と判断した。免疫染色結果はpancytokeratin(-), cytokeratin(CAM5.2)(focal+), SMA(+), desmin(-), caldesmon(-), calponin(-), MyoD1(-), S100(focal+), CD31(+), CD 34(-), Factor VIII(-)で明確な分化傾向はなく、肉腫はUndifferentied pleomorphic sarcomaに相当した。
卵巣成熟嚢胞奇形腫の悪性転化は稀な現象であり、その多くは扁平上皮癌などの上皮性腫瘍の組織像をとる。今回、卵巣成熟嚢胞奇形腫から肉腫へ悪性転化したと考えられる極めて稀な症例を経験したので報告する。

キーワード

臓器別:卵巣

手法別:病理

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