演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

HP療法+タキサンで奏効したがタキサン中止後早期に急性増悪した転移性乳癌の1例

演題番号 : P28-7

[筆頭演者]
金子 しおり:1 
[共同演者]
中山 博文:2、佐野 宗明:1

1:医療生協さいたま埼玉協同病院外科、2:医療生協さいたま埼玉協同病院内科

 

【緒言】Trastuzumab+Pertuzumab(HP療法)はpivotal試験であるCLEOPATRA試験においてHER2陽性転移性乳癌に対し無増悪生存期間、全生存期間ともに良好な成績が得られた。CLEOPATRA試験ではHP療法とドセタキセルを6サイクル継続し、7サイクル以降の継続は主治医の判断でされ、ドセタキセルの終了以降は抗体療法のみの維持療法を行っていた。抗がん剤投与終了後でも抗体療法のみを維持することによって長期間病状を安定させられる可能性が示された。今回HER2陽性転移性乳癌に対して、HP療法+タキサンを投与し、奏効が得られたが、有害事象によりHP療法のみにしたところ短期間で多発肝転移が出現した症例を経験したので報告する。【症例】49歳、閉経後女性。20XX-12年に左乳房部分切除と腋窩郭清を施行。病理結果は浸潤性乳管癌(硬癌)、T2N1M0、ステージⅡB、ER(+)、PgR(+)、HER2(2+)/FISH(-)だった。術後補助療法として乳房照射、CMFを4コース、TAMを4年間投与したが頭痛、倦怠感により中止。20XX-2年に出現した左肺腫瘍に対して、診断目的で下葉切除を施行した。病理結果は転移性乳癌、ER(+)、PgR(+)、HER2(3+)だった。術後AI剤を投与したが、有害事象により1か月で中止となった。20XX年3月、呼吸困難、咳嗽が出現し、胸部CTで左胸水、多発肺転移が指摘された。20XX年4月HP療法+タキサン投与を開始した。20XX年8月、5コース終了時点で部分奏効し、病状が安定した。倦怠感、消化器症状によりタキサン投与の継続が困難となり患者の強い希望で6コース目よりHP療法のみとなった。8コース目で多発肝転移が出現しPDと判定した。【結語】転移性乳癌に対するHP療法のみの維持療法は、有害事象が減り、長期に病勢進行を抑えられる可能性がある。しかし、本症例のように急性増悪する場合もあるため、化学療法中止にあたっては、患者へ十分な説明をし、理解を得たうえで、慎重に経過を見ていく必要がある。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:分子標的治療

前へ戻る