演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

Pertuzumab+Trastuzumab+Docetaxel併用療法の経験

演題番号 : P28-6

[筆頭演者]
川尻 成美:1,2 
[共同演者]
高島 勉:2、石原 沙江:2、浅野 友香:2、田内 幸枝:2、徳本 真央:2、森崎 珠実:2、柏木 伸一郎:2、野田 諭:2、小野田 尚佳:2、平川 弘聖:2

1:医療法人藤井会石切生喜病院乳腺頭頸部外科、2:大阪市立大学大学院医学研究科腫瘍外科

 

(背景)Pertuzumab(Per)はHER2陽性転移再発乳癌を標的とする新規分子標的治療薬である。HER2レセプターと結合し、HER2シグナル伝達の起点となる二量体化を阻害することによりその抗癌作用を発揮する。また、Trastuzumab(Tra)とは異なるドメインに結合し、作用機序も異なる。
HER2陽性の転移再発乳癌患者に対する1st lineの化学療法として、Per+Tra+Docetaxel(Doc)投与群とPlacebo+Tra+Doc投与群の有効性についての第Ⅲ相比較試験では、無増悪奏効期間および全生存期間において有意にPer+Tra+Doc投与群が優れていた。この結果を受け、現在Per+Tra+Doc併用療法は、HER2陽性の転移再発乳癌患者に対する1st lineの標準治療として、各ガイドラインで推奨されている。しかし、2nd line以降のPer+Tra+Doc併用療法の有効性については、エビデンスに乏しい。
(方法)2013年9月より2014年9月にかけて、Per+Tra+Doc併用療法を施行したHER2陽性転移再発乳癌15例について、レトロスペクティブに検討した。Per(初回840mg/body、2回目以降420mg/body)、Tra(初回8mg/kg、2回目以降6mg/kg)およびDoc(50-75mg/m2)を3週毎に投与した。
(結果)症例は全て女性でHER2陽性、年齢は39-80歳(中央値62歳)であった。9例でTra使用歴があり、7例でタキサン使用歴があった。ホルモンレセプターは5例が陽性、10例が陰性であった。全投与回数中央値は8回であったが、現在9例が治療継続中である。Docの投与回数中央値は5回であった。初回Doc投与量は9例が75mg/m2、6例が60mg/m2以下であった。6例で治療期間中にDocの減量または延期をした。全体の奏効率は86.7%であった。1st line症例の奏効率は100%、Tra耐性をもつ2nd line以降症例の奏効率は77.8%であった。グレード3以上の非血液毒性は下痢と食欲不振を各1例に認めるのみであった。発熱性好中球減少症は認めなかった。
(考察)Per+Tra+Doc併用療法は、化学療法使用歴の有無を問わず高い奏効率であり、有用なレジメと考える。またDocの投与量を調節することにより、致命的な有害事象は認めず、比較的安全に使用できた。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

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