演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

HER2陽性進行再発乳癌に対するT-DM1療法の検討

演題番号 : P28-4

[筆頭演者]
奥村 恭博:1 
[共同演者]
村上 敬一:1、大佐古 智文:2、西山 康之:2、中野 正啓:3、藤末 真実子:2、田嶋 ルミ子:4、豊住 康夫:5、有馬 信之:6、西村 令喜:2

1:熊本市立熊本市民病院乳腺内分泌外科、2:医療法人創起会くまもと森都総合病院乳腺センター、3:独立行政法人労働者健康福祉機構熊本労災病院外科、4:社団法人熊本市医師会熊本地域医療センター外科、5:熊本市立熊本市民病院病理診断科、6:医療法人創起会くまもと森都総合病院病理診断科

 

はじめに: HER2陽性進行再発乳癌に対する治療(Trastuzumab,Lapatinib)は、近年治療薬(Pertuzumab, T-DM1)の開発に伴い、治療の選択肢が増えることとなった。このことは患者にとって福音となる一方、医療者にとってはその適応、治療順序が問題となる。そこで今回、T-DM1療法の効果、位置づけ、効果と関連する因子などについて検討を行った。

対象:2014年12月までに進行再発乳癌と診断され、当院にてT-DM1療法が行われた13例を対象とした。検討項目は治療対象部位、subtype、治療ポジション、初回Trastuzumab (T)療法のTTP(time to progression)、TP53、Ki-67などである。

結果:T-DM1療法が行われた症例の年齢(中央値)は58歳で、進行・再発別では進行2例、再発11例であった。治療対象部位別では軟部:7例、内臓:6例、subtype別ではLuminal/HER2:5例、HER2:8例であった。T-DM1療法の投与期間(中央値)は149日で、奏効率(RR)は46%、臨床的有用率(CBR)は69%であった。T-DM1療法の治療ポジション別効果は、1次治療(2例)のRR:0%, CBR:50%,TTP(中央値):120日、2次治療(1例):100%,100%,138日、3次治療(2例):50%,100%,450日、4次治療以降(8例):50%,63%,137日であった。T-DM1療法のTTPについて検討すると、Ki-67 低発現(<30)症例でT-DM1療法のTTPが長いという結果であった。なお、治療対象部位、subtype、治療ポジション、初回T療法のTTP、TP53などとの関連は認められなかった。T-DM1療法PD後の抗HER2療法(T+TS1:2例、T+CPT11:1例、T+RT:1例)のRRは0%、CBRは50%、TTP(中央値)は207日であった。

結語:T-DM1療法はKi-67 低発現(<30)症例で治療効果を認め、後次の治療ポジションでも治療効果を認めた。今後、抗HER2療法施行例のさらなるデータ蓄積が必要で、抗HER2療法の位置づけ、投与順、有効となる症例の見極めは重要な課題である。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:分子標的治療

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