演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

HER2陽性進行再発乳癌におけるPertuzumabの治療効果

演題番号 : P27-6

[筆頭演者]
佐藤 章子:1 
[共同演者]
石田 孝宣:1、鈴木 昭彦:1、多田 寛:1、渡部 剛:1、宮下 穣:1、大内 憲明:1

1:東北大学腫瘍外科

 

【背景】HER2陽性進行再発乳癌に対するTrastuzumab(Tr)+Pertuzumab(Per)+ Docetaxel(Doc)療法(以後TP+D療法) は国際共同第3相試験(CLEOPATRA)において1次治療のPFSのみならずOSの.延長が示され、本邦でも2013年9月発売となった。Tr耐性乳癌への効果も期待されているが、現時点ではTP維持療法、タキサン以外との併用療法、2次治療以降の治療報告は少ない。
【対象・方法】2013年11月~2015年2月までTP+D療法を施行したHER2陽性進行再発乳癌17例を対象として診療録を基に後ろ向きに調査し使用実態と有害事象および治療効果を検討した。
【結果】年齢中央値55歳(40-69歳)、subtype はHER2 enrich が11例、Luminal-HER2が6例であった。臓器転移ありが12例、転移部位数中央値2(1~6)、一次治療7例、二次治療以降が10例で、前治療歴は0~6レジメン(中央値3)であった。Tr治療歴ありが10例、Doc治療歴ありが7例であった。副作用によりDoc減量は6例、中止は8例であった。最良治療効果判定はCR1例、PR9例、longSD2例、SD1例、PD3例、効果未判定1例で、全体のORRは63 %であったが1次治療使用では100%、3.4次治療では50%、5次治療以降では33%であった。Doc中止8例のTP治療継続期間中央値は6.0ヵ月(0.8-10.7)で4例が治療継続中であった。全サイクルの有害事象は下痢6例(35 %)、皮疹5例(34%)、末梢神経障害は9例(64%)であった。Grade3以上の血液毒性は5例あり、そのうち3例に発熱性好中球減少症が発症した。
【考察】有害事象の観点から3剤併用療法の長期継続が困難である症例が多かったがTPのみでの継続期間中央値6.0ヵ月であったことより、Less toxicな戦略としてTP維持療法も治療効果が得られる可能性が示唆された。2次治療以降でもORRは40%と比較的高く、late lineでの使用でも比較的高い治療効果が得られていた。本報告では2次治療以降の症例が多い中、有害事象発生は、CLEOPATRA試験と乖離ない結果であり、間質性肺炎や左室機能低下の出現はなかった。これより、2次治療以降でも安全に使用できる可能性が示された。今後さらなる症例の蓄積と他剤併用療法、術前療法の適応拡大が期待される。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:化学療法

前へ戻る