演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

HER2陽性進行・再発乳癌に対するPertuzumab及びT-DM1の使用経験

演題番号 : P27-2

[筆頭演者]
露木 茂:1 
[共同演者]
仙田 典子:1、康 裕希子:1

1:日本赤十字社大阪赤十字病院乳腺外科

 

背景:HER2陽性進行・再発乳癌に対する治療戦略として、Pertuzumab(Per), T-DM1が認可されて治療成績の向上が期待されている。今回当科にて経験したPer及びT-DM1導入症例について、治療効果、有害事象等について検討した。
対象:2013年10月から2015年3月までにPerまたはT-DM1を導入したHER2陽性進行再発乳癌症例:18例(進行乳癌:6例、再発乳癌:12例)。患者はすべて女性。患者年齢中央値は56才(40~73)、ER陽性:12例、ER陰性::6例であった。
結果:進行乳癌6例中4例はPerを1stlineとして使用した。再発乳癌12例中、術前化学療法既治療は6例、(Trastuzumab(Tr)使用:3例)、術後Tr補助療法は7例であった。DFI(Disease Free Interval)中央値は22M(5.8~50.5)であった。Per導入前のレジメン数は中央値 2 (0-7)であり、10例にTr及びタキサンの治療歴があった。転移臓器は、肺:4 肝:8 骨:9 リンパ節:10 脳:4、局所:1例であった。 Perレジメン内訳はDocetaxel(DOC):14例、Paclitaxel (PTX):3例, TS-1:1例であった。治療効果は、CR:0, PR:11, long SD(>6M):1, SD: 2, PD:3, NE:1で、奏効率61%, CBR 66.7%と良好な成績であった。Progression Free Survival(PFS)は中央値4.2M(1.6~14.3)であった。line別の奏効率、PFS中央値は、1st ~2nd lineでは80%, 6.8M, 3rd ~4th lineでは50%, 5.4M, 5th ~7th lineでは 16.7 %, 1.7Mであった。脳転移単発再発の1例はPer導入によりCRを得た。PRのうち8例(DOC:7例、TS-1:1例)は治療途中からPer+Trのみの維持療法に変更した。抗癌剤併用期間は2-8コース(中央値:4)であった。変更理由はタキサンによる末梢神経障害:3, 倦怠感:4, DOCによる皮疹:1であった。Grade3以上の有害事象は出現せず、タキサン等の抗癌剤の有害事象が主であった。
Perレジメンfailureは10例であった。Per後の治療はT-DM1:5例、PTX+Bev:3例、全脳照射以降BSC:1例、治療拒否:1例であった。PTX+Bev 3例は全例T-DM1認可前の症例であった。T-DM1症例ではPFS(中央値):4.1M(1.3~6.0)、奏効率60%、CBR 80%であった。Per同様に脳転移症例にも奏功した。有害事象はGrade3のALT上昇、Plt減少が各1例あった。
結語:実臨床上でも臨床試験同様に、Pertuzumabは1~2nd lineで高い奏功率を示し、Pertuzumab 不応後のT-DM1も重篤な有害事象なく良好な成績を示した。両薬剤のupfrontでの有用性が示された。今後の症例蓄積が必要である。

キーワード

臓器別:乳腺

手法別:分子標的治療

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