演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

根治的放射線化学療法後の胸腔鏡下サルベージ食道切除術の治療成績と問題点

演題番号 : P15-10

[筆頭演者]
竹村 雅至:1 
[共同演者]
瀧井 麻美子:1、吉田 佳世:1、海辺 展明:1、仁和 浩貴:1、大嶋 勉:1、菊池 正二郎:1、笹子 三津留:1

1:兵庫医科大学上部消化管外科

 

近年、食道癌治療における集学的治療の発達に伴い、初回治療として根治的放射線化学療法(dCRT)が適応される症例が増加してきている。しかし、この様な症例のうち約半数に、局所の遺残または再発がみられ追加の治療(サルベージ治療)が必要になる。このうちサルベージ食道切除術は術後合併症が高頻度に発症し、在院死亡率も高い手術であることが報告されており、施行可能施設も少ない。我々は以前よりサルベージ食道切除術を胸腔鏡下に行い、その治療成績について検討してきた。今回、現在までの我々が経験したサルベージ食道切除術の治療成績について述べるととも、その問題点について検討した。(対象と方法)2014年12月までの胸腔鏡下にサルベージ食道切除を施行した27例を対象とし、周術期治療成績・再発形式・生存率などを検討することで本術式の問題点について検討した。(結果)対象は男性:23例、女性:4例で、年齢61歳であった。占居部位は、Ut/Mt/LtAe:5/20/2例で、d-CRT前進行度は I/II/III/IV:4/3/7/13例であった。8例がCR後の再発例で、19例が遺残例であった。術中に重篤な合併症は無かったが、2例で開胸に移行し、24例でR0手術が可能であった。腹部操作も23例で腹腔鏡下に行った。24例で再建に胃管を用い、再建経路は後縦隔:11例・胸壁前:11例で、最近の5例で胸骨後経路を用いた。手術時間は340分(胸部:125分)、出血量は330ml(胸部:100ml)であり、郭清リンパ節個数は18個であった。術後合併症は15例(56%)に発症し、縫合不全が11例と高率に発症した。肺炎は2例に発症したが、気管壊死や在院死亡例は無かった。R0例(24例)のうち11例が再発し、遠隔臓器再発が4例、リンパ節再発:6例、播種再発:1例であった。R1,2の3例では1例のみ生存中である。全例の3年・5年生存率(OS)は49.8%・39.9%で、R0のそれは55.2%・44.2%と比較的良好であった。(まとめ)胸腔鏡下サルベージ食道切除術は、dCRT後にさらに手術を加えるという高侵襲な手術で、射線照射による縦隔組織の繊維化と触覚の欠如のために難易度の高い手術である。鏡視下の拡大視を十分に生かすことで気道周囲も安全に操作可能と考えるが、安全性が確保されない場合には速やかに開胸移行も考慮する。R0例の予後は比較的良好であるが、腫瘍遺残例の追加治療は困難である。

キーワード

臓器別:食道

手法別:内視鏡手術

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