演題抄録

一般演題 (示説)

開催概要
開催回
第53回・2015年・京都
 

COPD患者における胸腔鏡下食道切除術の有用性の検討

演題番号 : P15-8

[筆頭演者]
菊池 勇次:1 
[共同演者]
竹内 裕也:1、福田 和正:1、中村 理恵子:1、高橋 常浩:1、和田 則仁:1、川久保 博文:1、北川 雄光:1

1:慶應義塾大学病院一般・消化器外科

 

【背景】全身麻酔を必要とする外科手術では一時的に術後呼吸機能の低下がみられるため、低肺機能患者では術後呼吸器合併症の発生率が高いとされている。一般に、食道癌手術は過大な侵襲を伴うことが多く、無気肺や肺炎などの術後呼吸器合併症を発生するリスクが非常に高い。近年、食道癌手術における胸腔鏡下手術の占める割合は増加傾向を認めているが術後呼吸器合併症との関連は明らかではない。今回われわれは術前呼吸機能検査と術後短期成績との相関を検討し、呼吸機能低下症例に対する胸腔鏡下食道切除術の有用性について検討したので報告する。
【対象と方法】2008年1月から2014年3月までに当科で胸腹部に操作が及ぶ食道癌根治手術を行った食道癌患者215例のうち、術前のspirometry検査でCOPDのcriteriaを満たした61例(28%)を対象とし術式別に周術期関連因子および合併症について検討した。
【結果】対象患者は平均年齢66歳(49歳~79歳)で男性が55例、女性が6例であった。術式の内訳は胸腔鏡下手術;37例、開胸手術;24例であった。胸腔鏡下手術群では開胸手術群に比べ出血量が有意に少なく(219ml vs 298ml, p=0.04)、手術時間は有意に延長した(546分 vs 454分, p<0.01)。手術関連因子の検討では、両群においてICU滞在期間、人工呼吸器使用期間、術後SIRS期間に有意差は認めなかった。胸腔鏡下手術群では開胸手術に比べ入院期間は有意に短縮した(35.9日 vs 57.9日, p<0.01)。術後合併症に関する検討では、術後肺炎、SSI、縫合不全、術後無気肺発生率に有意差は認めなかったが、胸腔鏡下手術群では術後感染性合併症が少ない傾向にあった(35% vs 58%, p=0.08)。
【結論】胸腔鏡下食道切除術は術前呼吸機能低下症例に対しても安全に施行可能であった。胸腔鏡下食道切除術は術後感染性合併症を減少させる傾向にあり、術後在院期間を短縮することが可能であった。本検討では胸腔鏡下食道切除術と呼吸器合併症に関連を認めなかったが、術後呼吸器合併症の予防には早期離床などの術後早期からのリハビリテーションが重要とされており、胸腔鏡下食道切除術が有用である可能性が示唆された。

キーワード

臓器別:食道

手法別:集学的治療

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